朱鷺に時にはトキめいて(新潟県・佐渡島)

朱鷺に時にはトキめいて(新潟県・佐渡島)

魚類だけに留まらず、両性爬虫類・鳥類・哺乳類・昆虫まで追い求めるマルチなFielder。好きな食べ物はお米。血液型B型のおうし座。

日本の朱鷺(トキ)

新潟県の佐渡島。
朱鷺の最後の生息地となった島である。1981年に日本の朱鷺は人工飼育の為、最後の5羽が捕獲され自然下から姿を消す。そして遂に、2003年に最後の日本原産の朱鷺が死亡したことにより、完全に絶滅することとなる。元々本州にも数多く生息していた朱鷺だが、美しい羽を目的とした乱獲、環境の変化などが主たる原因となり絶滅に至った。

朱鷺の羽。佐渡島朱鷺を探して。 朱鷺色と呼ばれる美しい羽の色。兎にも角にも美しい桃色で、非常に品格に満ち溢れた高貴な色だ。

 

 

朱鷺(トキ)とは

日本最後の朱鷺であるキンの剥製。佐渡島朱鷺を探して。日本最後の朱鷺・キン

ペリカン目トキ属トキ科に分類される。小魚・両生類・昆虫類を主に捕食する肉食。全長は大きな個体でも80㎝程で、少し前の記事でご紹介させてお頂いたコウノトリと比較すると、若干の小型。

コウノトリの記事は下記こちら

かつては、日本・朝鮮半島・ロシア・中国に生息していたが、中国の限られたエリアの個体群を除き絶滅。その後、日本・韓国においては、中国から寄贈された個体による人工飼育・繁殖・放鳥を行っている。

学名は、Nipponia Nipponと日本の名前が付いている。



 

朱鷺(トキ)を知ろう

現在、日本国内に生息している朱鷺は500羽程。その殆どが、佐渡島に生息している。850㎢の島に500羽。しかも、島の中央の平野部に集中して飛来することが多いようで、比較的簡単に自然下で生息する朱鷺も観察することができる。
また、『朱鷺について詳しく知りたい。』そんな方は人工飼育もおこなっている施設『トキの森公園』を訪れてみては如何だろうか?飼育下の朱鷺を観察したり、朱鷺の生態やその歴史を学ぶことができる。

トキの森公園。佐渡島朱鷺を探して。トキの森公園。佐渡島朱鷺を探して。

トキの森公園内にはトキ資料展示館・トキふれあいプラザが併設されており、飼育下の朱鷺だけでなく、別種のトキも観る事もできる。

トキの森公園。佐渡島朱鷺を探して。施設内には、朱鷺の剥製も展示されている。
婚姻色が出ている朱鷺は、剥製の様に羽の一部が黒くなると言う。

 

トキの森公園。佐渡島朱鷺を探して。

施設に転がる石ころにも朱鷺が描かれる。島の方々の朱鷺への愛が伺える。

 


自然下に朱鷺を探す。

いよいよ朱鷺を探す前に、下記の注意事項をしっかり守っていただきたい。

・朱鷺には近づかず静かに見守りましょう。愛するがゆえに見守る愛もある。
・農地に無断に入るなど地域の方々に迷惑をかけないようにしましょう。
・車両の場合朱鷺を撮影観察する際は車から出ることなく行いましょう。
・大きな音をださない。撮影の際フラッシュ等使用しないようにしましょう。
・2月~6月は繁殖期の為、巣に近づかないようにしましょう。

平野部の田園に車を走らす。稲刈りはすでに終わっている田圃も多く、何もない田圃に観られるのはサギや干された稲藁。

佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。時折姿をみせてくれる鳥は、サギの仲間チュウサギ。

 
佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。収穫の秋。市場には新米も出回る季節。

この時期には田圃には水は張っていないが、朱鷺たちが餌を確保するために、田圃周辺にはビオトープや、江(え)が地域住民の方々の努力で整備されている。本格的に冬が到来した際も、田圃の一部に水を張り、生き物が生息しやすい環境を維持しているそうだ。

佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。
江を覗き込むとドジョウが逃げ回り、季節外れのカエルが江に飛び込む。また、江の泥には水鳥の足跡が残されていた。トキのものであろうか?田圃に水がないこの時期、この場所でも餌を確保している様だ。


佐渡固有種サドガエル。佐渡島朱鷺を探して。朱鷺の生息する環境。佐渡の固有種『サドガエル』。ツチガエルに似ているが、お腹が黄色いのが特徴。このサドガエルも、朱鷺たちの大事な餌となる。



江から目線をあげると遠くの空に舞う鳥が…. 朱鷺だ。静かに朱鷺が降りたったであろう方向へと車を移動する。

佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。

佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。

佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。羽を広げた朱鷺はとても美しい。羽を広げた際は140㎝程。


佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。
どこからともなく、次々と朱鷺がやってくる。朱鷺は産卵期である、2月~6月の期間はつがいで行動し、産卵期以降は群れを形成し行動している。目の前の田圃には、10羽程の朱鷺の群れが飛来した。


佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。

佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。佐渡島朱鷺を探して。トキの飛来。赤い顔と赤い足、そして、長く曲がったくちばしも非常に特徴的。また頭部の後ろには、冠羽と呼ばれる長い羽も観られる。

念の為、2日用意していた朱鷺の観察と撮影。初日の午後には目的を終えた。想像していた以上に、朱鷺は佐渡島の空を元気に飛び回っていた。

 

日本で絶滅した朱鷺を、別の場所から人為的に移動し、飼育放鳥する活動に関しては、賛否両論あるようだ。しかしながら、種を再生させるため、自然環境を整備維持することが、他の生き物にも影響を及ぼし、総じて生態系が豊かになる。種の再生こそが生態系の再生につながる訳だ。佐渡島は、間違いなくその方向に進んでいるように感じられた。

 

約1600万年前に、本州より地殻変動により切り離されたこの島、長い年月をかけ、独自の生物相を育んできた固有種の宝庫でもある。再訪の際は、他の齧歯類・昆虫類等の固有種も探してみたいと思う。

 

佐渡の固有種サドマイマイ。佐渡島朱鷺を探して。佐渡の固有種、サドマイマイ。もしくは近似種のオゼマイマイ。双方殻の巻く方向が右巻きという特徴があるが果たして?


最後に、佐渡の金山もお忘れなく。美しい朱鷺にトキめくか?一攫千金の夢にときめくか?は貴方次第です。

佐渡の金山。佐渡島朱鷺を探して。

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