ナイルパーチ釣行 / 続・しげるの世界旅行釣行記Vol.5 灼熱地獄エジプト編

ナイルパーチ釣行 / 続・しげるの世界旅行釣行記Vol.5 灼熱地獄エジプト編

1981年、広島県生まれ。元々はネットゲームやメイド喫茶にドハマりしていたインドア系のはずが、観光で行ったタイの釣り堀で全く釣れず、悔しくて挑戦している間に釣りにハマる。 以降45ヶ国100回の渡航を行い、巨大魚を求めて世界各国を飛び回っていたがコロナ過で自粛中。釣り関係に使ったお金は5000万以上

日本に生息するアカメによく似た魚で、ナイルパーチという魚がアフリカ大陸に生息している。海外釣行を始めた頃に一度エジプトへ行っていて、その時は観光で行ったのだが、アブシンベル神殿の崖下にはナイルパーチが泳いでいるという情報を元に、タックルを持ち歩きながら観光客と一緒に行動をしていた。皆カメラを持ち歩いているのに、タックルを持ち歩く観光顧客。どうみてもおかしいです。崖下に訪れた時に竿をセットしていると、現地の警官に案の定注意されたのは今ではいい思い出だ。
余計な事をしたら怒られるという教訓を得た僕は、ちゃんと釣りをする為になエジプトへ行こうと心に誓うのであった。

今回は、ナイルパーチと呼ばれるラテス科の中では最大級になる魚を狙いに、エジプトはアスワンハイダムへ行く事にした。
僕と友人のタカは、アスワンへ到着後、空港から車で数分の距離にある港へ向かうと、今回フィッシングサファリで使用するマザーボートが停泊されていた。

アスワンの港

僕はロストバゲッジで荷物が無く、釣りが出来ない状況なのだが、この先どうしろって言うんだ。。。。
マザーボートから口ひげを蓄えた渋めのオッサンが降りてくる。
彼の名はラマダン。

船長のラマダン

どうやらこの船のリーダーのようだ。

ラマダン:よく来たな!しかし何で満月の周期で来たんだ?満月周りのナイルパーチ釣りはかなり難しいぞ。新月回りで来ればよかったのに・・・今更!?もっと早く言うべき事だろそれwwwもう後戻り出来ねーよ!!!

乗船早々に死の宣告をされ、これから8日間に及ぶ釣行が確実に地獄になる事が確定し、眩暈が起きた。
荷物が無いことをラマダンに伝えると、そんなの問題ないと言われさっさとボートに乗りこめと言われる。
とりあえず、ブツブツ言っても仕方がなく、マザーボートに乗り込みポイントへ向かう。
ポイントへ到着すると、マザーボートでけん引してきたフィッシングボートに乗り換えて釣りをする。

フィッシングボート

フィッシングボートを操船するのはモランだ。
彼は何でも39歳にもなるのに、釣りが好き過ぎて結婚出来ないらしい。

ガイドのラモン

モラン:よし!!!くそ暑くて魚は底にいる!!これからディープを探るからスーパーシャッドラップを装備しろ!!!ハリーアップ!!!

圧すげー!!!wwww

どうやら此処ではシャッドラップは鉄板らしく、特にベーシックカラーのシャッドラップは、幾度の困難も成功に導いてきた最強ルアーらしい。

使用するルアー
タックル

世界では定説と言わんばかりに、何処へ行ってもラパラ最強説が実しやかに言われ続けている。最近の事だが、海外で日本のルアーを販売営業している友人と会食をした際に言われたのは、日本人はルアーの性能を引き出す為にテクニックを磨くが、外国人はテクニック云々より釣れれば良い(アクションとかどうでもイイ。釣れなかったらそれはそれでいい)
だから日本でめちゃ釣れるルアーを、外国人の目の前で使って実演しても売れない。と言う話を聞いて腑に落ちた気がした。
オーソドックスで動きが良いラパラ、海外釣行で困ったらラパラを使えば8割解決するから皆覚えておいてほしい。

タックルはトローリングに耐えれる7ft8ftのロッドに、PE6号を200m位巻けるリールならなんでもOK
タカ:ディプスレイダ~~~俺はこれでメガパーチを狙うぜ!!
そうディプスレイダー!!!僕らには伝家の宝刀ディプスレイダーがある!!今回はラパラじゃなくこのルアーを使いまくるぜ!!このルアーはもともとマスキーパイク用のルアーだが、ここアスワンハイダムでは相当な実績をたたき出していた。僕もその釣果にあやかりたいと思い、海外から輸入し10本も持参していた。まあ、持参したけどロスバゲで使えないわけだがwwwwww

モラン:おいタカ言う事を聞け。シャッドラッ!
タカ:レイダーーーーーー!!!!
モラン:あいつはいう事を聞かないから放っておこう。お前はシャッドラップを付けろ。

本来であればテラピアの産卵でナイルパーチが岸際に集まってきている為、オフショアで釣りが出来るという事でわざわざエジプトまで来たのだが、状況が良くないという。
岸際はそのテラピアを狙う漁師達が、刺し網をそこら中に仕掛けており、釣りになる状態じゃなかった。オフショア良いとか、どこの情報だよまじでwwwww

というわけで様子見で、トローリングから開始した。
ルアーをボートで流し、ナイルパーチが食いつくのをひたすら待った。
ルアーのレンジはディープ系のルアーを使用し、10m~20mを泳ぐように低速で流していく。
数時間、ルアーを流し続けるが釣れる気配は一向になかった。

自分の肌間隔では、ナイルパーチは大繁殖しており、めちゃ釣れるもんだと思っていたが、それは昔の話で今はかなりハードな釣りになっているようだ。
魚探にはたしかに魚が映っているのだが、全く食う気配が無かった。
ベストシーズンは何時か?と問うと、モランは今が一番良いと即答した。

モラン:満月の時は餌を余り食おうとしない。はっきり言ってコンディションは最悪だ。
なぜこんな月周りでお前らは・・・・
俺:もう言わないでくれ!!!さっきモランにも言われたから!!!終わってるwwwエジプト終わってる!!!

エジプトナイルパーチ海外釣行


大きなナイルパーチが釣れる気配は全くなかった。
そうこうしている内に僕の荷物が空港へ届いたと連絡があり、僕はモランと一緒に空港へ出向く為、別のボートで移動を開始した。
空港職員にスーツケースの中のものを一つ一つ説明し、ようやく解放されその日は終了し、夜は船中泊にて楽しい宴とともに夜はふけていった。

エジプトナイルパーチ海外釣行ナイルパーチのフライ

ナイルパーチを調理


翌日からも当たりは無く、あったとしても釣れるのはシーバスクラスのナイルパーチのみ。

エジプトナイルパーチ海外釣行

まじでエジプト終わってるwwwこれ失敗だろ絶対wwww帰りてーwwwクソ暑いしまじで帰りてー!!!釣れないから炎天下の中なにもする事がなく、待ちぼうけをくらい、睡魔が襲ってくる。タカは熱すぎて死んでるし。

エジプトナイルパーチ海外釣行

ゆっくり進むボートの揺れは、心地よくウトウトしていると。

モラン:おい!!!巨大魚が魚探に映りこんでるぞ!!!くるぞ!!!これはデカいぞ!!!3・2・1!!!
シーン・・・・。
モラン:・・・・さあっ!!次だ次!!!
こねーし!、期待させんじゃねーよwww
タカ:ズキューンこねー!!!エジプトやべー!!!!

こんな感じのやり取りが幾度となく続いた。

魚も来ず、やる事も無く、この広大な大海のようなアスワンハイダムで、僕等は巨大パーチを追い求め奥へ奥へと進み続けた。
灼熱の太陽が容赦なく照り付け、僕等の体力を奪っていく。
暇すぎて居眠りをしているとモランが叫ぶ。
竿の方を見るとギュンギュンと曲がっているではないか!?

遂に来た!!!

沖の方で、ナイルパーチが鰓洗いをしているのが分かった。
待望の魚にフルパワーでガンガン巻くと、最後の方は力尽きたのかスーッと自分から寄って来た所をモランがキャッチ。
サイズは8㎏とまだまだのサイズだったが、久々の魚に嬉しさがこみ上げた。

エジプトナイルパーチ

モランは、そのナイルパーチを家族のお土産に持ち帰ると言い、そそくさとTシャツに包んで日陰にしまい込んだ。
かなり上機嫌である。
この調子で釣りまくってやるぜ!!と思ったが、その後が続く事は無く時間だけが過ぎていった。
タカも死人のような目でこちらを見つめ、完全に疲れきっていた。
結局、この日も大した成果も無く納竿となった。

モラン:今日は良い日だったな!!
俺&タカ:良い日じゃねーしwww釣れたうちにはいらねーよwwww

満月も欠けて、少しずつではあるがコンディションが戻りつつあった。
徐々にだがバイトの数が増えてきたのだ。
釣れるサイズはどれも小さいままなのは変わらなかったが、ロッドが破壊されたり、ルアーを破壊して逃げていくパーチの痕跡も何度かあり、気は許せない。

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此処には間違いなくモンスターが潜んでいる。

釣行5日目。折返しの朝が来た。
朝一の涼しい時間帯は、岸際を縫うようにルアーを流すのが日課となっていたが、今日はいつもと違って沖の水深20~30mの深場にルアーを流すようだ。
そうと分かれば、ディプスレイダーを装着しようとすると。

モラン:お前はディープサンダーを使え。

ディプスレイダーが良いと懇願するも、お前はディープサンダーで大丈夫と言われ、その後の抗議は聞き入れてもらえなかった。
何なんこれwww買った意味wwwwまじで買った意味wwwww
長年の勘なのか、それとも気まぐれなのか・・・
とりあえず言う通りにディープサンダーを深場に流す。
今日はやたらと注文が多いモラン。
もしかしたら、本気で狙いにいってるかもしれない・・・。

モラン:オキ!!!竿が!!!大物が掛かったぞ!!!早くスタンバイしろ!!!

たしかに竿の方を見ると、スゲー角度でしなってた。
しなる竿を、ロッドホルダーから外そうにも重みでなかなか外れなかった。
どうにか竿を引き抜き、ファイトを開始。
ずっしりとした重みみたいなものがラインから竿に伝わって来た。

エジプトナイルパーチ海外釣行

これは間違いなくデカい。
姿は見えないが勘で分かる。
モランも興奮し過ぎて、いちいちレクチャーがうるさい。
正直うざいwww
そんなやり取りをしていると、急に竿に掛かっていたテンションが軽くなる。
バレたか!?
ラインを回収していくも、一向に魚の気配を感じない。
逃がしたか・・・・。
不安に思ったその時だった。
潜水艦が浮上するかの如く、ナイルパーチが急浮上してきた。

エジプトナイルパーチしかもデカい!!!

モラン:オキ!!デカいぞ!!鰓洗いには気を付けないと逃げられるぞ!!!

興奮したモランがうるさすぎて集中できないwww
鰓洗いをさせまいと、竿を倒して阻止しながら船べりまで寄せていった。
口元をみると、ディープサンダーが今にも外れそうになっている。
まじでヤバいwww千載一遇のチャンスがぁぁぁぁぁ!!
やっと掴んだ大物を逃がすわけにはいかない。

慎重に慎重に・・・・。

疲れて大人しくなったところで下あごにギャフを掛けてランディングに持ち込んだ。

エジプトナイルパーチエジプトナイルパーチ

ハイタッチをして大喜びする僕とモラン。

モラン:な?言ったろディープサンダーだってwww

来た甲斐があった!!!
正直釣れないんじゃないかと思ってたしねww
これを夢見てエジプトエジプトへ来たんだ。
最高にうれしい。
サイズは130cm、30kgだった。

エジプトナイルパーチ

この調子でサイズアップ狙おう!!!
結局、後の日数で10kg~20kgまでは釣れるものの、このサイズを超えるナイルパーチは現れることなく釣行は終わった。

エジプトナイルパーチエジプトナイルパーチ

あの時ルアーを変えていなければ、釣れなかったかもしれない。
というか、ガイドの言う事聞くのが一番釣れるかもしれない。
運とタイミングって本当に大事だと思ったが、月周りはもっと大事だと思った。次回は新月周りで、このエジプトへ来ようと心に誓うのであった。

エジプト海外釣行

その後、ナイルパーチはエジプトからウガンダへ流れが変わる。
ウガンダは、本当にデカいナイルパーチが存在する。
次回はウガンダ編でも書こうかな・・・・。

 

因みに、この記事を書いている最中に外付けハードが壊れ、発狂した。
これまでの写真が全て入っているHDが復旧できなければ、マジでヤバいことになるので、次回休載の場合は「あー、しげる死んだな。。。。と思ってほしい」

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