黄金のバラマンディを釣る!(スリランカ:汽水湖)

黄金のバラマンディを釣る!(スリランカ:汽水湖)

インド在住13年、出張時の荷物の半分以上は釣り道具。時間を見つけては釣り竿や網を持ってインド各地の珍しい生き物を探している自称インド珍魚ハンター。現在の目標はインドにいる雷魚を全種類捕まえること。 ローカル釣りクラブ「桜フィッシングクラブ」インド支部長

インドのデリーから現実逃避のために海外旅行によくタイに遊びに行ってました。
もちろん魚釣りも兼ねて、リフレッシュするためにはインドでできないことを思い切り楽しむことにしています。

そして今回のリフレッシュ旅行はスリランカ。
インドから意外と近くて観光と牛肉が楽しめる国(インドは宗教上の理由から一部の地域を除いて牛肉を食べることができません。)の一つです。

スリランカは空中宮殿と言われているシーギリヤロックの遺跡が有名で、観光名所となっています。僕は行ったことがないのですが、観光客のほとんどが行く場所ではないでしょうか。

スリランカはインドが綺麗になったような国と言われますが、まさしくその言葉ピッタリで、人当たりも良い国で街にはゴミは少なく、一番驚いたのが30年以上前の日本車が綺麗な姿で現役で走っているということです。ちょっと嬉しくなります。

そんなスリランカにゴールデンバラマンディと呼ばれるバラマンディが生息しているという情報をキャッチし、家族旅行のついでに1日別行動の許可をもらって行ってきました。

事前にガイドにコンタクトし、情報をもらいます。
スリランカもオフショアでのGTフィッシングが有名で、30kgを超えるGTを釣ることができるところで、写真のような素晴らしい魚たちもいます。

 事前情報によると、今回釣りに行く汽水湖には何種類かのフィッシュイーターが生息しているみたいです。が、今回行った11月はなかなかタフな釣りになるかもしれない、しかも釣行日当日は潮もあまり良くないけど、やるだけやってみようということになりました。

家族旅行の日程を変えるわけにもいかないし、ここは何とかなるだろうという気持ちで釣行に臨みました。頑張りましょう。

まだ夜が明ける頃にホテルまで迎えにきてもらい、ガイドと駐艇場で集合し、挨拶も早々に早速ポイントへ。

今回のフィッシングガイドはなんとフランス人のガイドで、スリランカが好きすぎて移住した人でした。彼は英語も堪能。実はスリランカに来る釣り人の間では大人気のこのガイド、ニコと言います。見た感じから絶対にいい人のオーラが出てます。

専用の小型ボートを所有しており乗り込み、ポイントにつく前にタックル、ルアーなどを指示してもらってからスタートです。

(現在はボートが新しくなってカッコよくなったようです。)

ニコのおすすめのポイントではエレキでボートを進めながら岸際を攻めます。

このニコは僕のキャスティングの距離を見てボートからルアーが届くギリギリの距離までボートを離してくれ、できるだけポイントに近付かないようにしてくれます。かなりナイスな腕前です。

 

岸際をミノーで攻めていると何投目かで早速アタリがあり、上がってきたのは50cmいかないくらいのマングローブジャックです。

南日本から太平洋、インド洋に広く生息している和名ゴマフエダイはなかなか引きが強く、釣って楽しく、食べても美味しい魚です。
鋭利な歯を持っているので、必ずフィッシュグリップで掴みましょう。

この時はこれからもっと大きいのが釣れると思っていたので、サイズは測らず、手持ち写真も取らずにリリースです。

 

 

岸際を攻めながら、ニコのおすすめのエリアへ。

そこは湖の真ん中にポツンと小さな島があり、祠が立っている小さな島で、島の周りには結構な確率で魚が着いているということです。

期待を膨らませながらルアーをキャストします。ここでは水深があるので、ニコが選んだシンキングシャッドの赤金を投げろと言われ、もうすぐ1週するというところでドンッという待望の大きそうな魚のアタリが。

結構大きいサイズがかかり、ラインもどんどん出ていき、ついでに岩にラインが擦れる感覚が。

やばいと思った時にはもう遅く、何もすることができないままやっちゃいました、PE3号が見事にラインブレイク。

 岩にラインが擦れている感覚が今でもはっきり覚えているし、これは4年経った今でも思い出すと悔しくて震えます。

残念ながらこの魚がこの日の一番大きな魚だったような気がします。

 

気を取り直していきましょう。

 次は水中に岩や障害物、所々に杭が入っているポイントでここも高確率でバラマンディがついているというポイントです。

 無くした赤金の代わりにシンキングシャッドのイワシカラーを投入。

ポコポコと何かがアタるけど、フッキングしてもまあまあ暴れる魚なのでバラしてしまうこと多数、手前でバラした魚を見てみるとレディフィッシュ(カライワシ)の子供でした。この魚も大きくなる魚だけど、この汽水湖ではあまり大きなサイズはいないとのことでした。

何度もアタリをとりながらも釣ることができなかったが残念です。

 

レディフィッシュと同じ場所でたまにターポンが混ざって釣れました。

ニコはターポンだと言っています。
みると大きな目に変則的な口をしていて、確かにターポンの顔をしています。ですがターポンと聞くと2m以上になる魚を想像しますがこの魚はそのアトランティックターポンの仲間のインドパシフィックターポンでした。

この魚も大きくなれば1m近くにはなるらしいですが、この水域ではせいぜい大きくなっても5060cmくらいだそうです。

そのうちにアトランティックターポンは南米に釣りに行くことにして、こちらはこちらで小さい魚だけど初魚で嬉しい1匹です。

 

魚の活性が意外と高いので、もう少し粘ろうという話になりボートを流しながらキャストをしていきます。しばらくの間はアタリだけで釣れないレディフィッシュとたまに釣れるターポンで遊んでました。

するとその2魚種とは違うアタリがあり、フッキングするとまあまあ大きそうな感触が伝わってきます。

上がってきたのは若干色が付いているほぼ銀色の体色のバラマンディでした。

これはターゲットと言えばターゲットで釣れて一安心といったところですが、本当は金色をしたレアなバラマンディを探しているのです。

 でもこれはこれで全然ウェルカムな魚です。

タイの養殖場や釣り堀では何度も釣ったことがあるバラマンディですが、天然物だと今までインドで1匹しか釣っていないので、久しぶりの貴重なカッコいい1匹です。

 
その後これより小さいサイズのバラマンディを1匹追加してからジャイアントじゃないGTが釣れました。

この魚は遊泳力が強く、このサイズでもまあまあ良い引きをしてくれます。

この魚で4種目。
午前中にしてはなかなか良い感じです。


ニコは時期的にも潮も良くなく難しいかもしれないと言ってましたが、ベストコンディションの時はどうなってしまうのか。

昼食のためにゲストハウスの食堂で外国人向けスリランカ料理を食べます。

普段インドでの釣りの最中は昼ごはんを食べることなくビスケットをかじるくらいですが、というか、昼ごはんを食べる場所がない状態での釣りになるので、こうやって用意してくれるとだいぶ有難いです。

 夜になると近所に出没するハリネズミの話で盛り上がり、昼食も終わり午後の部へ。


夜ご飯を約束している家族が待つホテルへ帰る時間を考えると残すところ3時間くらい。
たった3時間で目当ての金色をしたバラマンディが釣れるかどうかわからないけど、やるだけやってみましょう。

途中何ヵ所か立ち寄って少し様子を見るを繰り返しニコの本命ポイントへ。

ここは湖が一部狭くなっている場所に柵が打ってあるエリアで、魚影が濃く、常に魚がいる場所で、必ず立ち寄る場所だそうです。

ここでは無数の魚のボイルというか、水面にモワモワが起きていてやる気がマックスになるエリアでした。

水深はそれほど深くないので、フローティングミノーを投げているとしばらくしてドスンと言うアタリがあったのです。

フッキングもバッチリ決まり、ゴリゴリ巻いていてもエラ洗いも無く、ただただ右に左に走ったり、潜ったりしている魚はおそらくバラマンディじゃないだろうとのことでしたが、なんと釣れたのは待ちに待った念願のゴールデンバラマンディ。
 

ゴールデンマシール(前回の記事で紹介しています
のように鮮やかな金色はしていないけど、年季の入った金色(実は銅色?)をしていて、日本にいるアカメの親戚でもあり、目もルビーのように赤く反射してかっこいい魚です。

なんでこういう体色が濃く、金色なのか聞いてみると、この湖で居着きの魚はタンニン色に染められてこういう体色になるのだそうです。

居着きのバラマンディは回遊型より体力があるのか、まあまあ力強いファイトをしてくれました。

ここにはメーターを超えるのも生息しているみたいですが、釣れたのは60cmくらいのまだまだ小さい魚だけど、色も体型もカッコよく、目当ての魚が釣れたので大満足です。

時間はもう少し残っているので、この場に留まってもう少し釣ってみることとなり、そのままミノーを投げ続けました。

あのボイルを繰り返している魚の正体は何なのかだいぶ気になります。
捕食している訳でもなく、顔も出さずに呼吸しているように見える何かの無数のモワモワの波紋が気になってしょうがなくて、ただひたすらミノーを投げ続けました。
魚は無数にいるのになかなか口を使ってくれず、こいつは釣れないんじゃないかと思って半分諦めながら投げ続け、ちょこちょことトゥイッチをしているとゴゴンとアタリが。
しっかりアワせて巻いていると、ラインが出ていくし、さっきのより大きい、だけど暴れ方が違う感じがしました。遠くでジャンプを何回かしているので、またしてもバラマンディじゃないかとと思いながら寄せるとなんと。

スポッテッドナイフフィッシュでした。
フェザーバックとも呼ばれていて、古代魚の括りに入る魚です。日本ではナギナタナマズと呼ばれているようで確かに薙刀にも見えなくもないですが、ナマズにはちょっと見えない魚ですね。

東南アジアに広く生息している魚らしく、これよりも小さいサイズにしかならないインディアンナイフフィッシュしか釣ったことがなかったので、申し訳ないことに、バラマンディより興奮しました。

また、このスポッテッドナイフフィッシュは夜行性で昼間はあまり活動はしないらしいですが、夕方の活性が上がった時間帯にちょうどこの場所に来ることができてラッキーでした。

 
その後、最後に同じエリアでちょっとサイズアップしたジャイアントじゃないGTを釣り、

まだまだ釣れそうでしたが、トゥイッチやジャークや魚との格闘で腕がパンパンになり、握力も無くなったので帰路に着きました。

 

今回使ったルアーはたったの2種類でジップベイツのデビルフラッターとGL工房のツルミノーのみです。
何十個と持って行った中でたった3個のルアーだけしか使わなかった釣行はこれまでなく、ニコガイドに全部を委ねた形が良かったのだろうと思います。


そんなツルミノーは、最後には傷だらけになり、フックも伸ばされて殿堂入りルアーになりました。

 

スリランカはコロナの影響で封鎖されてしまい、情勢も安定せず、観光客も来られなくなって治安も不安定な状況になったと聞いていましたが、最近また鎖国を解いて行き来ができるようになったみたいです。

事前情報ではあまり良くないコンディションの中、目当ての魚も釣ることができたし、なんといってもいろんな魚を釣りことができたのはまさに幸ラッキーでした。

満足で終わった後のビールがめちゃくちゃ美味しく、睡眠不足と疲れでめちゃくちゃ酔いました。

 

そろそろニコにも会いたいし、サイズアップを狙いに行きたいです。

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