この度ブレコのフィールダーを拝命いたしました、インド在住13年の冨山です。
インド生活も随分と長くなりました。インドに来た当初は釣り情報もあまりなく釣りからは遠ざかっていましたが、探してみるとまさかこんなに色んな釣りができるとは思ってませんでした。
僕が住んでいるグルガオンという都市から車で1〜2時間くらい郊外に走ると、荒れ果てた荒野の中に大きな川や水路、池が多数点在するエリアがあります。
グーグルマップで水辺を見つけては釣査し、魚がいる場所を追い求めているわけですが、インドというお国柄、情報も何も無いところから場所を探すのはかなり大変です。
今まで時間をかけて開拓して釣り場を見つけたと思ったら、いきなり工事が始まって魚影がなくなったり、澄んでいた水が泥水に変わったり、どこからともなくワラワラ集まってくる村人から邪魔されたりイチャモンをつけられたり色々あります。妨害を掻い潜ってやっと釣りができたとしても、ボウズも珍しくありません。
そんな中で今まで釣ったり獲ったりすることのできた、皆さんがワクワクするようなインドの生き物たちを紹介できたらと思います。
[インドにいる雷魚の種類は?]
インドに生息する雷魚について調べて驚いたのですが、インドには約10種類の雷魚が生息しているらしく、インドにいる限りこの全種類を捕まえるのを夢の一つとしています。インドもゲームフィッシング対象の魚は数多くいますが、雷魚マンにとってインドは雷魚天国ということになりますね。
今回は今まで捕獲することができたインドの雷魚を紹介したいと思います。
コブラスネークヘッド/ Channa marulius
この雷魚は国内の広範囲にいる雷魚で、デリーから2,000km離れた場所でも釣れたりしています。場所によって模様や色、尾鰭の付け根の眼状斑の有無などの違いはあったりはしますが、インド国内でかなりの勢力を持った雷魚です。
潜水艦のように浮上して呼吸をしに水面に上がってくる姿や、魚雷のようにルアーに突進してくる姿はかなり興奮します。
釣れているサイズは60〜80cmが多く、釣りクラブの会長(小川氏)が釣ったメーターオーバーの雷魚は水質のせいで残念ながらあまりカッコ良くない色をしていますが、そんな色をしてても現在の釣りクラブ内での最大サイズです。
びっくりするのは、インド国内で現在まで確認された最大サイズは1.8mを超えているとか超えていないとか。
小川会長が釣った初メーターオーバーのコブラスネークヘッド104cm。これはなかなか出会えないサイズ。
インディアンスネークヘッド/Channa punctata
この雷魚の最大サイズは約30cmといった小型の種でアジア全域にいる雷魚のようです。
小型ルアーやワームでごくたまに釣れますが、雷魚なのに実はルアーにはあまり興味がないようなので、釣りたくなったら万国共通の万能エサのミミズを探してエサで釣ります。
小型なので大人しいだろうと思って家で飼っていた時期もありましたが、やっぱり雷魚、お互いを攻撃し合ったり一緒にいたはずの小魚も日を追うごとに減っていきました。
ガサで獲れたインディアンスネークヘッド。
プラーチョン/ストライプドスネークヘッド/Channa striata
プラーチョンとかストライプスネークヘッドと呼ばれていて、この雷魚も東南アジアやインド国内広範囲に生息しています。タイで釣ったこの雷魚はもっと色が薄かったのですが、グジャラート州で釣れたこの雷魚は色が濃く、虎模様が鮮やかで同種とは思えない色をしています。
待ち伏せして突然襲ってくるタイプとは違い、フロッグの後ろをしばらく追ってきながらいきなりバイトしてくるタイプで、コブラスネークヘッドばかり釣れて飽きていた頃につれた新魚種はかなり興奮しました。
この雷魚は大きくても、60cmくらいまでしか釣れていないのであまり大きくならない魚種かも知れません。
『マラバールスネークヘッド/Channa diplogramma』
南インドのケララ州付の地域にしか生息しない雷魚がマラバールスネークヘッドです。
この雷魚はあの有名なジャイアントスネークヘッドと似ていて、サイズも1m近くなる雷魚です。生まれたばかりはジャイアントスネークヘッドと同様に赤色をしています。
少し成長すると薄紫がかった体色に青い鰭をしていますが、成魚になると白と黒のブチ柄に変色するようです。
友人が釣った白黒ぶちカラーのマラバールスネークヘッド。
成魚になるとこんな感じの色に変わるとか。これは一度実際に釣ってみたい。
トップの早巻きしか釣れなかったり、ダイバーで潜らせたたら釣れ始めたとか、釣り方が意外と難しく、その時の気分があるようでパターンを早く見つけるのがポイントです。
ちなみに僕が行った時は魚がウジャウジャいる所で楽勝と思っていたのですが、何を投げてもアタリが全く無いので病みそうになりました。
最後の最後にヤケクソで投げたシンキングミノーでやっと釣れたという感じです。
『イザベラスネークヘッド/Channa pseudomarulius』
この魚もマラバールスネークヘッドと同水系の南インドに生息していて、学名にmaruliusと入っているように、コブラスネークヘッドと親戚のような気がします。一見コブラスネークヘッドと勘違いするくらい似ていますが、エラの一部、胴の下部にオレンジがかった色が浮かびます。
以前に釣った時はちゃんと調べず、コブラスネークヘッドと勘違いしてリリースしてしまい、後日魚をもう一度調べてみたらイザベラだったことが判明しました。
もっとちゃんと写真を撮っておくべきだったです。
『ドワーフスネークヘッド/Channa gachua』(もしかしたら?)
まだ幼魚の段階で色がはっきりと出ていないので詳しくは判別できていませんが、この雷魚は冬にガサガサで獲った時に最初はインディアンスネークヘッドじゃないかと思いながら、生体観察をする目的で友達が持ち帰った雷魚です。
ドワーフスネークヘッドならインディアンスネークヘッド同様、イランからインドネシアまで広範囲で分布している雷魚なので「もしかしたら?」という感じです。
意外と成長が早く、当時は2cmくらいだった体長が3ヶ月立った今は10cmくらいになり、
インディアンスネークヘッドには見られない目立った鼻管があり、レインボースネークヘッドには無い腹鰭もあるのでドワーフスネークヘッドなのでは?と思っているところです。
判別できる方いらっしゃいましたらご一報ください。
今回紹介したのは5種+疑惑のドワーフですが、調べる限りインド国内にはあと5種類の未確認雷魚が生息していて、その残りの雷魚のうちのほとんどが北東インドにいることがわかっています。行く機会がなかなかないため、いつかのチャンスを狙って探しに行きたいと思っています。
インドは夏の気温は50度近く、冬は10度を下回る環境での釣りライフですが、休みの度にまだ見ぬ未知の生き物たちを追ってインド各地を回るのが楽しみです。