シオフキ貝を食べよう。(千葉県・三番瀬海浜公園)

シオフキ貝を食べよう。(千葉県・三番瀬海浜公園)

魚類に留まらず両性爬虫類から昆虫まで探して国内外を旅する 嬉し恥ずかしの51歳。福岡県出身・おうし座。

アサリをメインターゲットとした潮干狩りも、今や昔。アサリがとれない昨今、浜の主役はすっかりシオフキ貝だ。シオフキ貝と言っても、ピンとこない方も多いと思う。なぜなら、市場にも殆ど出回らず、食べられない貝というイメージが先行しているからで、潮干狩りのベテランのお爺さん&お婆さんまでもが、掘ったシオフキを、浜に投げ散らかす有り様。

なんと勿体ない事か。このシオフキ貝、ちゃんと下処理さえすれば、非常に美味しく食べられることができると言うのに。



シオフキ貝とは

シオフキ貝とはバカガイ科バカガイ属の一種の二枚貝で、大きくても5㎝程の大きさで、丸みを帯びてコロッとした容姿。関東以南の砂地などに多く生息している。アサリと同じ場所に生息していることが多いが、食べられない貝の代表格として、潮干狩りに来た少年少女達だけでなく、お爺さん&お婆さんまでも落胆させる貝として有名だとか。

何故シオフキ貝が、これ程人気がないのか?それは、砂を貝内に十分に蓄え、その砂を吐きづらいという特徴があるからに他ならない。

 

 

シオフキ貝をとりに行こう

シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場2021年2月の三番瀬海浜公園。貸し切り状態。

今回の採取場所は、千葉県の船橋三番瀬海浜公園2022年10月中旬。関東屈指の潮干狩りの聖地だ。春先には有料の潮干狩り場も開かれ、多くのシオヒガラー達が訪れる。しかしながら気温も下がりだすこの時期は、人影もまばらで、ほぼ貸し切り状態。となる筈だったのだが…

シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場予測に反して多くのシオヒガラー達が潮干狩りを楽しんでいる。


早速、皆さんの成果を見せて頂くと。なんとアサリが、わんさかとれている。
シオフキ貝を狙う。アサリを手にする少年。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場少年はアサリを両手に抱え、満面の笑みを浮かべた。

シオフキ貝を狙う。アサリを手にする少年。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝を狙う。アサリを手にする少年。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場アサリとハマグリ。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場婆さんは『手前が飛び切り大きなアサリでな、奥はなんとハマグリじゃ。うしゃしゃしゃしゃ』と嬉しそうに笑った。

 

アサリの力は偉大だ。潮干狩りに訪れた方々を幸せにしている。一方、その傍らで砂に放置される寂しいシオフキ貝達。十中八九のシオヒガラー達は、アサリに夢中で、シオフキ貝をキープすることなく置き去りにしている。

私はアサリを掘ることもなく、皆さんの放置したシオフキ貝を次から次へと頂いていく。もはや貝掘りではなく貝拾いだ。僅か20分程。シオヒガラーの皆さまの放置したシオフキ貝を回収するに至った。シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場

シオフキ貝は掘るべからず。短時間であっという間に十二分のシオフキ貝を手にすることができる。しっかり海水で表面の砂を落とし、たっぷりの海水に入れて持ちかえろう。折角持ってきた熊手も不要だった。

アサリも捕れる。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場アサリも捕れる。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場
結局、一つも貝を掘ることなく帰路についた訳だが、シオフキ貝のみを集めていた私を気の毒に思ったのか、恐らく、お婆さんが私のバケツにアサリを30個ほど投げ込んでくれていたようだった。

アサリは簡単に砂抜きを終え、その日の晩に絶品のボンゴレビアンコへと姿を変えた。アサリ最高だ!

 

 

いざ砂抜きに取り掛かる

一方、持ち帰ったシオフキ貝。酸欠と水温に気を配りエアレーションを行い、冷暗所で数時間放置する。

シオフキ貝の水管。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝の水管。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場シオフキ貝が覗かせる2つの水管。上部が出水管で、下部が入水管である。入水管から海水や餌を体内に取り込み、糞と共に出水管を使い体外へと放出します。砂や泥もこの出水菅から放出されると考えられます。

いよいよシオフキ貝の砂抜き。三番瀬の海岸は粘土質なので、泥抜きと言った方が適切だろうか。今回はシオフキ貝の処理で有効と思われる、3つの方法全てを試してみる。



先ずはシオフキ貝の半数を良く洗い、大鍋で貝の殻が開くまで煮ます。白濁した煮汁は後程料理に使いますので、捨てないようにしてください。その後、剥き身と殻をとりわけます。

シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園あんなにあったシオフキ貝も、剥き身にすると非常にコンパクトにまとまる。



①吐かぬなら、回してみようシオフキ貝シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園

剥き身を水浸けたザルで、左回りに回転させながら洗います。ザルに擦りつけながら洗っていると身が崩れますが、問題ありません。崩れた身から砂が流れ落ちます。強く擦れば砂は良く落ちますが、同時に旨味も香りも流れ落ちていきますので注意ください。100回転程回せば宜しいかと思います。

流れ落ちた旨味を補うために、再度煮汁に付けておくと若干旨味が戻りますので試してみてください。

 

シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園シオフキ貝のヌタ。砂を感じることなく美味しく頂ける。酢味噌と貝の食感が相性良くとても良い感じ。


シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園続いて、煮汁をスープに使用したシオフキ貝の塩ラーメン。
塩、酒、鶏ガラの固形出汁を少々足す。澄んだスープに貝の香りと味がしっかりと出ている優しいラーメン。

 

②吐かぬなら、除去してしまえシオフキ貝
シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園

剥き身半分は上記写真の赤丸部位を除去します。貝殻を使うと比較的簡単に除去できます。砂も完全に除去でき安心して食べられますが、可食部は著しく減ってしまいます。


シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園ピリッと唐辛子の効いた佃煮にしてみました。
結構な剥き身を使いましたが、僅か小皿に乗った佃煮。

お酒が進む一品の完成。貝の風味も残り、文句なく美味いが….

 

③吐かぬなら、吐くまで待とうシオフキ貝
シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園

最後は、エアレーションを冷暗所で24時間行ったシオフキ貝を調理。三番瀬であったお爺が言うには、綺麗な海水を汲んで持ち帰るのがポイントになるそうだ。要は塩分濃度等が関係するのであろうか?言われるがまま海水を汲んで帰ったのが功を奏した。


シオフキ貝料理。三番瀬海浜公園シオフキ貝の香りと味が、十二分に楽しめる酒蒸し。
砂も全く感じることなく、美味しく頂けた。

 

今回試してみた、3つのシオフキ貝の処理方法。
次回私は迷わずエアレーション24時間を選択する事だろう。因みに、三番瀬海浜公園アサリとれてましたね。週末アサリを捕りに出掛けようか思案中です。

シオフキを掘り起こしてしまったらどうすべきか??迷うところではある。

 

シオフキ貝を狙う。三番瀬海浜公園は関東屈指の潮干狩り場潮干狩りをする際は場所により使用できる道具、場所、貝の種類・大きさなどの規制があります。しっかりと規則を守り楽しんでください。

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