外来種インドクジャクを捕まえて食べる。(沖縄県・石垣島)

外来種インドクジャクを捕まえて食べる。(沖縄県・石垣島)

魚類だけに留まらず、両性爬虫類・鳥類・哺乳類・昆虫まで追い求めるマルチなFielder。好きな食べ物はお米。血液型B型のおうし座。

石垣島近郊の小さな島・小浜島。1979年に観光の目玉にするために小浜島のリゾートホテルがインドクジャクを島内に放し飼いにしたのが悲劇の始まり。凄まじい勢いで繁殖し、島内のインドクジャクは500羽に迫る勢いで増え続けた。流石に駆除・捕獲活動が開始され、捕獲された一部は石垣島等、他の島々の学校などへ寄贈されることとなった。しかしながら、台風などで各地の小屋が倒壊。そのインドクジャク達は各地で大脱走し新天地での新生活を謳歌した。更なる繁栄・繁殖を遂げ、生息地を更に広げることになる。

 


インドクジャクとは

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクとは。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクとは。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクとは。非常に美しい鳥でインドの国鳥である。(因みに日本の国鳥はキジ。)ヒンズー教では神の乗り物とされており、神話などにも登場する神聖な鳥として知られる。

インドクジャクの最大の特徴である美しい飾羽は雄にのみ観られるもので、繁殖期にはこの羽を広げ、震わすことで雌への求愛を行う。その美しい姿は雌だけでなく人間様をも大いに魅了される事となる。世界各国で飼育されたが、逃げだしたり、飼育放棄されたりと、インドクジャク達は世界各地で帰化、繁殖している。

インド・スリランカ・パキスタン・ネパール南部が元々の生息地で、寿命は20年ほど。昆虫や小動物・新芽・果樹などを食べる雑食性であり、外来種として定着した地の固有種や農作物への悪影響が懸念されている。




インドクジャクを探す。

2022年12月石垣島・小浜島に向かい現状を観てきた。インドクジャクを捕まえて食べる。石垣島の外来種インドクジャク。インドクジャクを捕まえて食べる。石垣島の外来種インドクジャク。石垣島でインドクジャクを観察するのであれば、圧倒的にバンナ公園。朝と夕方、西口周辺から山頂へ向えば高確率で遭遇可能。ただし、駆除活動も頻繁に行われており、インドクジャク達の警戒心もかなり高い。発見と同時に足早に森林内に逃げ込んでいく。何れにしても公園内にはおびただしい数のインドクジャクが生息している様だ。

インドクジャクを捕まえて食べる。石垣島の外来種インドクジャク。生息地バンナ公園。インドクジャクを捕まえて食べる。石垣島の外来種インドクジャク。生息地バンナ公園。インドクジャクを捕まえて食べる。石垣島の外来種インドクジャク。生息地バンナ公園。




 

続いて小浜島。

インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。こちらも午前中と夕方に偏りはあるが、平野部の休耕田や牧場などでまとまった数のインドクジャクを観ることができる。しかしながら、障害物も殆どな為にインドクジャクとの距離を縮めるのは至難の業。今回は600㎜の望遠レンズを使用したが、それでもインドクジャク達は足早に茂みに逃げ去っていった。<br />群れの中には白いインドクジャクも観ることができる。この白いクジャクは遺伝変異により生まれた白変種でアルビノ個体ではないようだ。こちらも午前中と夕方に偏りはあるが、平野部の休耕田や牧場などでまとまった数のインドクジャクを観ることができる。しかしながら、障害物も殆どない為にインドクジャクとの距離を縮めるのは至難の業。今回は600㎜の望遠レンズを使用したが、それでもインドクジャク達は足早に茂みに逃げ去っていった。


群れの中には白いインドクジャクも観ることができる。この白いクジャクは遺伝変異により生まれた白変種でアルビノ個体ではないようだ。


インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。島には数カ所、罠も仕掛けられており駆除活動は継続的に行われている。しかしながら、平野部に観られるインドクジャクだけでもかなりの数で繁殖力の高いインドクジャクの根絶は至難の業ではなかろうか。また、彼らが群れている周辺には糞だらけ。鶏の糞と比較すると二回りほど大きい。糞の中身をほじって観察してみたが、植物性のものが殆どで小動物を食べている痕跡は全く見つからなかった。

インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。インドクジャクを捕まえて食べる。小浜島のインドクジャク。インドクジャクはキジの仲間であり、その仲間には鶏やウズラなども含まれる。長距離の飛行は苦手であり八重山の島々を飛んで渡っている事はなさそうだ。

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクの雌雄の見分け方。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクの雌雄の見分け方。雌雄の違いはオスの飾羽を観れば一目瞭然。しかしながら、雄でも産卵時期を終えた個体や未成熟の個体は飾羽を有さないことがある。上記の写真を観て頂くと判りやすいが、羽の羽毛に縞が入っているのがオス。単色がメスになる。彼らは春から夏にかけて恋も花咲く産卵期を迎える。

 


インドクジャクを食べてみる

インドクジャクを捕まえて食べる。さて、国内で駆除されたクジャク達は殆ど食べられることはないそうだ。中世ヨーロッパの貴族たちの間ではクジャクの肉は特別な力があると言われ好んで食べられていたそうだが、特別な力とはいったい??
これは是非食べてみたい。石垣島の猟師さんのお力を借りてインドクジャク1羽を捕獲した。

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャクを捕まえて食べる。現場で締めて解体。解体した肉は冷凍して自宅で頂く事にした。若いメスが比較的美味しいとは聞いていたが、捕獲したのはオスの老齢個体。果たして……

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。先ずは、もつ煮。砂肝が鶏と比較するととても大きい。女性の握りこぶしほどの大きさだ。それぞれの部位に臭みは無く、レバー、ハツ、砂肝それぞれ若干の強い歯ごたえではあるが、食べなれた鶏のそれと然程の違いはない。濃厚な味で美味しい。

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。続いて、モモ肉のロースト。これは硬い。非常に硬い。皮は全く噛み切れない。正直皮は食えない。身は繊維質あるタイヤを食べている様だ。臭みは全くないが、旨味も微弱。とにかく戦慄の硬さだ。

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。続いて、モモ肉のから揚げ。焼いて駄目なら揚げてみる。焼いたときの硬さが衝撃的過ぎて、期待度が低い。ところが、実際食べてみると鶏の親鳥のから揚げに似た食感で、相変わらず皮は食えないが、身は中々旨い。1日漬け込んだニンニク醤油が良い仕事をしてくれた。

インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。インドクジャクを捕まえて食べる。インドクジャク料理。最後にインドカレーとタンドールで締めくくる。スパイスの効いた本格ルーが旨味と脂身の少ないクジャク肉を補ってくれたのか中々良い。鶏肉だったら一層美味しいのだろうが…

タンドールの方は手羽先・手羽元の肉で調理。相変わらず皮は噛み切れない。身質も相変わらずの硬さ。

 

総じてクジャク肉の評価だが、今後食べることはないであろう。とにかく旨味が少なく硬い。よく噛んだ後に口に残る繊維状のパサついた肉は以前アジア圏を旅した際に食べた水牛の肉に似ている。良く言えば野性味あふれた本来の食肉と言ったところだろうか。

 



現在日本国内に生息する外来種は、2000を超えると言われている。その在来種や環境に及ぼす影響は多大だ。人間の経済活動に紛れ込み日本国内に入って来たもの。飼育放棄などで野に放たれるもの。何れにしても全て人間様の仕業であることは忘れないようにしなければならない。

1 / 4