灼熱の国インドで捕まえたナマズたち

灼熱の国インドで捕まえたナマズたち

インド在住13年、出張時の荷物の半分以上は釣り道具。時間を見つけては釣り竿や網を持ってインド各地の珍しい生き物を探している自称インド珍魚ハンター。現在の目標はインドにいる雷魚を全種類捕まえること。 ローカル釣りクラブ「桜フィッシングクラブ」インド支部長

灼熱の国インドより、今まで釣ったナマズたちを紹介します。

 

このナマズたちもインドでは揚げたり焼いたりしてカレー味の何かとなって食卓に上がっている魚です。

僕は魚釣りをゲームと釣れた魚の記録として楽しむために基本的に釣った魚はあまり食べないのですが、魚を釣り上げるとどこからともなくビニール袋を持って地元のおじさんから「くれくれ」言われます。今後の日印国交の発展のために釣れた魚を渡しますが、大変喜ばれます。

 

インドには体長2cmくらいの小型のナマズから、最大2m以上にもなる有名な人喰いナマズと呼ばれるナマズまで数多くの種類のナマズが生息しています。

広大なインドでのナマズコンプリートは果てしなく時間がかかると思いますが、できるだけ頑張ります。

 

今回は今までインド国内で捕まえることのできた地元民に人気のナマズたちを紹介したいと思います。

 

 

 

[ワラゴーアッツー]

南アジアから東南アジアにかけて生息しているワラゴーアッツーです。

この魚を最初に見たのは友人がタイで釣り上げた時の写真でした。それからもネットでしか見たことがなかったカッコイイ形をしたコイツはいつか釣ってみたいと思っていたナマズです。

今まで見てきたナマズの中でも抜群に想像の斜め上を行っている姿をしていて、顔の半分以上がエサの丸飲み用のための口をしています。

それにしても内側に向いた無数の細かい歯が何とも恐ろしい、バス持ちして暴れられたら指に一生残る傷跡ができそうなやつです。

危ないので、釣れたらちゃんとフィッシュグリップで掴みましょう。

この魚との出会いはいつものように近所に雷魚を釣りに行った時に地元の漁師が持っている袋の中身を見せてもらったところ、なんとそれまで釣り場では実際に見たこともなかったこのナマズ出てきたわけなのです。

何とか釣ってみたくなって色々調べると、インド国内の広範囲で普通に生息しているらしく、ゲームフィッシング対象の人気の魚種となっているようで、また食用としても釣られているメジャーな魚でした。

 

この顔と口の大きさから想像できるように、やっぱり性格は気性が荒くて貪欲な魚らしく、近くを泳ぐ生き物を手当たり次第食べてしまう感じです。

場所によっては意外と簡単に釣れている魚で、ルアーはトップウォータールアーやクランクベイト、ミノー、スピナーベイトなど何でも釣れています。

 

近所で釣れているサイズは60cmくらいが多いですが、友達がグジャラート州で釣ったワラゴーアッツーはなんと1mを超えました。

 

このサイズになると随分と迫力がありますね。

 

今となっては普通に釣れる魚となってしまったので、それほど珍しい魚ではなくなってしまったのですが、こんなにもルアーで釣れる魚とは思ってもなかったです。

 で、前に酔っ払った友人より、タイで釣ったワラゴーアッツーの頭部のミイラを手渡されて、現在はインドの僕の家で保管していますが、どうしましょうか?

 

[インディアンショベルノーズキャットフィッシュ]

このインディアンショベルノーズキャットフィッシュはアマゾンにいる怪魚で有名なショベルノーズ系のナマズと格好が似ていますが、インドのショベルノーズはギギ科に属します。あっちと比べるとこっちのショベルノーズは地味な色をしていますが、インドを代表するカッコいいナマズの1種だと自慢できる魚です。

 

インド国内ではグジャラート州までは確認されていますが、それより南側では今の所確認情報がなく、インドの友人からは羨ましがられている魚です。

 

初めてインディアンショベルノーズが釣れたのはデリーから南に4時間車を走らせたところにある比較的大きく綺麗な湖でした。

 

そこはメーターオーバーのフルーツバットがぶら下がっていたり、3mクラスのクロコダイルが自由に泳ぎ回っている自然豊かなまあまあ危険な湖なのですが、そこで初魚種のナマズを捕まえることができたのでした。

 

見ると、一緒に釣りをしている小川会長のロッドがやけに曲がっていました。

ランディングを手伝って見事釣り上げることができましたが、そいつは初めて見るナマズで、サイズも立派でした。

なんということだ、羨ましすぎる。

 

 初めて釣ったこの魚に釣った本人もびっくりしておりました。

 

その後、何回か通っているうちにその湖では40cmくらいのを釣ることができたのですが、以前に70オーバーを見てしまったのでサイズアップ目標と、ワラゴーアッツーも比較的簡単に釣れていたので、定期的な釣査対象の湖に指定されたわけですが、その矢先に地元民から囲まれ、単なるお金欲しさの理由で言いがかりをつけられ、この有望な釣り場を失ってしまうことになったわけです。もちろんそんな理不尽なお金は払ってないです。

 

現在はそこに行けなくても別の場所数カ所での生息を確認していて、新しく見つけた場所で85cmのナイスなサイズを無事に釣り上げることができました。

このナマズはワラゴーアッツーのようにトップウォータールアーに食ってくるということはなく、底にいるエサを探しながら回遊している感じで、クランクベイトやスピナーベイト、バイブレーションなどの比較的ボトム付近をトレースできるルアーで狙った方が良いです。

 

ギギの仲間なので釣った後にギギと同じくギュッギュッと鳴くところも可愛いですね。

レアなナマズで数はそれほど釣れていませんが、生息している場所はわかっているので今後はサイズアップを狙います。

 

 

 

 

[アフリカンクララ] 

このナマズは“背鰭の形”と“灰褐色のまだら模様”と“白い腹部”という特徴だけなのですがアフリカンクララかと思います。その昔インドに食用目的で輸入されているようですが、このナマズは恐らくその養殖場から脱出したものが野生化したんじゃないでしょうか。

近所の小さい池に大量にいたことがあって、いつの間にか出荷されたのか、全くいなくなっていたことがありました。

クララを攻略するのに素晴らしい場所を見つけたと思っていましたが、一時的に池を避難場所としていたのではないかと思います。

 

その池のクララは活性が高かったのですが、どんなルアーを投げても全く反応しなく、最終兵器にはミミズと練りエサを使って釣ることができました。結果的に60cmクラスのクララを何匹か釣ることができました。

エサを投入するとアタリはあるのですが、特に近所の牛が水浴びにきて勝手に入水し、池の底の泥が巻き上がった後がよく釣れました。

 

釣りの邪魔をするだけではなく、たまには気が利くことをしてくれるけど、やっぱり邪魔な牛たちです。それに針を引っかけでもしたら牛か牛飼いのおじさんに怒られるので気をつけましょう。

 

しばらく経って、クララの存在も遠い記憶になっていた頃、いつもの雷魚を狙って朝イチに釣りをしていた時、ミノーのゆっくりジャークでこいつが釣れました。

そこは養殖場の近くの中規模の川なのですが、2018年にルアーで釣れた初魚のナマズは後にも先にもこれ1匹だけで、その後は見ることも無くなってしまったという幻のナマズになってしまいました。

新聞記事で知ったのですが、インド政府は2016年にはすでにアフリカンクララはインド国内の生態系を壊してしまうという理由から養殖を禁止し、デリー周辺にある養殖場のクララを処分したとのことでした。

胴回りが太いナマズなので同サイズの雷魚よりも引きが強い魚だったのですが、攻略する前に釣れなくなってしまった残念な魚種となりました。

 

 

[レッドキャット]  

幼魚の頃に赤い体色をしていることからレッドキャットという名前がついたようですが、このナマズは南アジア、東南アジアに結構生息しているようです。

体調は大きくて30cmくらいになり、大きくなるにつれて赤から黒っぽい色へと変わっていくようですが、捕まえた幼魚を家で観察していたら色は個体差のようで、全部が赤い色をしているわけではなかったです。

 

同じ時間に同じ場所で釣ったにも関わらず体色が全く違ったりします。

 

幼魚の頃はこんな感じの赤い色をしています。

ミミズで釣ったり、ガサで捕まえたりできますが、30cmクラスでもルアーで釣ったことは一度もありません。

 

性格は荒っぽいと書かれていたりしますが、飼ってみると比較的おとなしいナマズのようで水槽で他の魚と混泳していても他の魚を攻撃するわけでもなく、仲間同士で同じ場所に絡まりそうになりながら隠れていて、餌やりの時だけ出てくる感じでした。

僕的にはちょっとヒゲの多いのが苦手なのですが、この顔だけはベストショットのお気に入りです。

 

可愛い顔してても胸鰭にはちゃんとトゲがあるので触る時にはご注意を。

 

 

 

 

 

[ミストゥステンガラ/インドワンラインミストゥス]

 

実はこのナマズは娘が僕より先に釣った初魚です。

 

子供たちに釣りの楽しさ教えて、家族公認で自由に釣りに出かけられる環境を作ろうと少し工作しておりました。

 

そんな時に珍しく釣りに誘うと快く付いてきた娘と小川会長の息子は父ちゃん達に言われるがまま猛暑の中エサ探しからスタートします。

 

釣り場の近所の比較的湿っているところをスコップで掘ると、小型ではあるけど世界共通の万能エサのミミズを取ることができます。

単なる小物釣りで遊ぼうとしていたところ、いきなり娘が釣ったこの魚、インドワンラインミストゥスという日本いるギギの仲間でした。

 

ワンラインとは言っても何本も横に線が入っているように見えるのですが。

この魚にも胸鰭にトゲがり、釣れた後の針を外す時が一番危なく、魚の掴み方によっては刺さるので要注意です。

 

ギギもそうですが、このナマズにもトゲに毒がある場合もありますので注意してください。

比較的おとなしい魚で、人工の餌にもすぐ慣れますが、隠れてばかりでなかなか出て来てくれないので、仲良くなるまで根気が必要です。

 

 

 

[パンガスキャットフィッシュ/パンガシウスパンガシウス]

釣り部のメンバーが灼熱のグジャラート州に遊びにきた時に釣れたパンガスキャットフィッシュです。

僕は月一出張で来ているので現地ではガイド役に徹し、遠路はるばるやってきた釣り部メンバーに釣ってもらおうと見ていただけなので釣りはしてません。

このナマズは南アジア、東南アジアなどにいて、食用にもしているナマズで、一般的にインドで食べられている『バサ』と呼ばれる魚の切り身はこのパンガシウス属がほとんどです。

かなり大きくなる魚で、最大3mを超えるとか。

 

実はこの場所は地元の人たちが橋の上からパンくずやチャパティなどのエサを撒きにやってくる場所で、餌付けされています。天然の釣り堀といった感じもしますが。

 

外国人がそんな地域密着型の魚を釣ろうとしてるので、地元の人たちが何か言ってきたりしますが、写真を撮ってリリースするだけだと体でなんとなく伝えて理解してもらい、釣りをさせてもらってます。

稀に警察を名乗る怪しい私服のおっさんから「法律で魚釣りが禁止になっているからやめろ」とか言って釣りを強制的にやめさせられる場合もありますが、地元の人たちと揉め事を起こしても面倒なので、そんな時はすぐに撤収して次の場所に行きましょう。

 

釣り方は魚が集まっているところに小型のルアーを投げて巻くだけの管理釣り場に近い釣り方ですので、ルアーの投げ時初めは簡単に釣れてしまいます。ですがそのうちアタリがなくなるので、そんな時は橋の上からエサを撒くと釣れ始めます。

いわゆるエサ撒きタイムですね。

 

近所の住民ギャラリーは1人が立ち止まると連鎖反応のようにみんな足を止めて集まりだして人だかりになります。その人達から注目されての釣りとなりますが、メンタルの強い人たちは注目されながらも根性でダブルヒットもやってのけます。

 

ここにいるパンガシウスはあまり大きくないですが、以前メンバーが練りエサでモンスター級の魚を掛けた直後にラインブレイクしてしまったという悔しい結果もありました。

僕は人だかりに見られながら釣りをするのがあまり好きではないので、そのうち機会があったら狙おうと思っています。

 

 

 

[グーンシュ?ドワーフグーンシュ?]

 

今回の最後に、僕が釣ったわけではないのですが、デリー周辺では滅多に見ることのできない珍しいナマズを紹介します。

インドやネパールにいて有名なあの人喰いナマズと言われているグーンシュ(Bagarius yarrelli)かな?とも思いますが、弟分的な存在のドワーフグーンシュ(Bagarius bagarius)かもしれないこのバガリウス属のナマズはいつも釣りに行っている場所いたのでした。

この魚の最大サイズとか、分布とか、背鰭と腹鰭の位置関係とかを調べたところ色々書かれていることは結構バラバラで、この写真だけではどっちの種か判別は難しいです。また、この2種は同種という人もいるようです。山間部の水の綺麗な水深のあるところにいるイメージですが、とりあえずインドに、しかも僕の住んでいる近所にこんなナマズがいるというのをお知らせしたくて。

 

いつもの場所で釣りをしてるとバイクに乗った地元漁師のにいちゃんがやってきて色々話し掛けてきました。地元の人たちは釣りをしている最中にもかかわらず、すぐ真横に立って話しかけてくるし、勝手に道具を触ってくるなどの面倒臭い人たちが多く、いつもはほとんど相手にしないのに、その時だけは獲れた魚が気になるので見せてもらうことにしました。

自慢げに袋から取り上げた魚を見て、ちょっと待て、なんでこの魚がこんな場所にいるんだと個人的に大騒ぎになったのです。

 

聞けば僕たちがいつも釣りをしている川の向こう側で仕掛けた編みにかかっていたらしいです。彼の言っていることのほとんどは何を言ってるのかわかりませんが、採れたてのナマズを自慢げに見せつけられました。

こんなドブ川にいること自体ちょっと信じられませんでした。今後の釣果に期待したいところですが、ルアーで釣れる魚かどうかわからないし、2018年以降、未だ一度も姿を見ていない幻のナマズになってしまっています。

そんな貴重なこいつもカレー味の何かになってしまうということを考えるとなんだか残念な感じですね。

いつかラッキーが重なってまぐれでもいいので捕まえられればと思ってます。

 

 

インドは釣りたい魚の情報もなかなか探せなくて、まだまだ手探り状態でまぐれ的な感じの釣果もかなり多いですが、それもまた楽しいです。

これからもどんどん新しい生き物を探しに行ってきます。

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