愛の戦士ムツゴロウVS甲殻の騎士シオマネキ(佐賀県)

愛の戦士ムツゴロウVS甲殻の騎士シオマネキ(佐賀県)

魚類に留まらず両性爬虫類から昆虫まで探して国内外を旅する 嬉し恥ずかしの51歳。福岡県出身・おうし座。

何処までも広がる壮大な干潟。ここは日本最大の干潟を有する有明海である。干満差は6m程もあり。干潮時に広がる干潟は岸から5㎞ほど先まで広がる。
有明海とその流入河川の多さは素晴らしい環境をつくり、多くの生き物そして有明海の固有種達を生み出した。

 

 

その多くの生き物の中で最も特異でまた人気を博すムツゴロウとシオマネキをご紹介させていただく。先ずは下記の動画をご覧頂きたい。如何に彼らが多くの人に愛されているか、そして、彼らが日々テリトリーをめぐっての巣穴争奪戦を繰り広げているのがお判りいただけるだろう。

 

 愛の戦士ムツゴロウVS甲殻の騎士

 

 

≪愛の戦士ムツゴロウ≫

口を大きく開けて威嚇行動をとる。巣穴争奪戦が始まる。

雄のジャンプは雌への求愛行動と考えられている。

 

日本国内では有明海と八代海のみに生息するハゼの仲間。鰓及び皮膚呼吸が可能で胸鰭を中心に使い干潟を這いまわる事ができる。干潟に姿をみせるのは6月~8月初旬が最盛期で暖かい時期。その時期以外は干潟に掘った巣穴で越冬する。因みにムツゴロウは干潟に生える藻の仲間を食べる。その為、餌釣りの対象にはならず、有明海での漁は「ムツ掛け」での引っ掛け釣りが主流となっている。

 

 

 

≪甲殻の騎士シオマネキ

彼等もムツゴロウ同様干潟に巣穴を持つ。そして、しばしばこの巣穴をめぐりムツゴロウと争うことになる。

 

 

果たして鋏の大きさが雌への求愛のアピール度を左右するかは定かではないが….

 

日本に生息するシオマネキ10種の中で最大種。シオマネキの大きな特徴の大きな鋏は雄のみの特徴。雌は双方の鋏が小さく全く雄とは異なる外観を持つ。

雄がこの大きな鋏を縦に振り雌に求愛する様子が干潟に潮を招いている様子にみえる事から潮招きの名前の由来となっているが、呼んでいるのは潮ではなく、雌のようだ。

 

 

≪捕獲

さて、この魅力的な2種。実際に捕まえてみようと思う。漁業権の問題や、使用できる捕獲の道具、また保護されている場所もあるので、くれぐれも事前確認を怠らずに行っていただきたい。

 

*ムツゴロウ捕獲

掛けたムツゴロウ。手に取って身近で観察してみると非常に美しい魚。

エメラルドグリーンの斑点は鮮やかに輝き。その顔はなんとも愛らしい。

 

干潟の藻の一種を主食としている彼らを餌ずりするのは至難の業。有明海の伝統漁法「ムツ掛け」に頼るしかない。

ムツ掛けを実際に体験してみるのも良い。下記で体験もできるので参照いただきたい。

 

むつかけ体験ー道の駅 鹿島

 

ただし、軽量なジグに大きめなトリプルフックを付けて遠投。高速で干潟を滑らすように巻き取る。この方法でも生息数の多い場所であれば簡単に掛けることが可能なので紹介しておく。ただし上記した保護区ではいかなる方法でも採取禁止なので注意いただきたい。

又、いずれの方法でも掛けたムツゴロウはかなりのダメージを負うので食べる事を前提に行ってください。

 

 

 

*シオマネキ捕獲

生息場所にはかなりの個体数を観察できる。しかしながら、いざ捕獲しようとすると

一斉に穴に逃げ込んでしまう。まさしくその逃げ足はマッハウォーク!

 

シオマネキの捕獲はかなり難易度が高い。蟹網などの使用は禁止されており、今回は虫取りの網を使った。こちらの姿を見つけ素早く巣穴に逃げ込むシオマネキ。

そのスピードは驚愕の速さ。かなり苦戦するそして、干潟の泥を浴びることは覚悟頂きたい。

最も効率的なのは逃げ込んだ巣穴を確認し、ただ網を構えて待ち続け、穴から出てきたところを網で捕まえる。これを繰り返すのみである。10匹程のシオマネキを捕獲するのに4時間程要した。

 

 

 

≪ムツゴロウVSシオマネキ調理そして味比べ

さて、捕獲したムツゴロウとシオマネキを昔から有明海近郊の方々に人気の料理に仕上げ美味しく頂く事とした。

 

ムツゴロウの素揚げ。あの愛くるしい顔が凄まじいビジュアルへと姿を変えた。

頭や骨はサクッと、身はホクホク。臭みもなく美味い。

こちらは有明海周辺で昔から食べられていた蒲焼。素揚げ同様に頭から食べていただきたい。流石の郷土料理。絶品である。

 

先ずはムツゴロウ。数匹は素材の味を確かめるため素揚げも食べてみたが、

メインは蒲焼に仕上げる。素焼きしたムツゴロウを砂糖大さじ1・醤油大さじ1・酒小さじ1の煮汁でしっかり煮る。甘露煮に近い感じだ。

若干頭の部分が口に残るが骨まで頂ける美味しい逸品。ムツゴロウ自体は泥臭さが全くなく、癖もない。非常に品のある食材との印象。

 

続いてはシオマネキを調理。がん漬け、所謂シオマネキの塩辛を作ってみた。シオマネキを良く洗い、すり鉢で殻ごとすり潰す。シオマネキの量に対して2割ほどの分量で塩と唐辛子を投入し、更にすり潰した後に冷蔵庫で数週間、発酵するまで寝かせる。

 

お茶漬けに乗せてみたり、日本酒の肴にしたりして頂く。まろやかさの中に潮の香りが漂う珍味。シオマネキの殻は口に残るがこれもバリバリと食べてしまおう。

この珍味。忘れられない味となり虜になる可能性あり。

 

個人的感想ではあるが、双方の味比べ55:45でシオマネキのがん漬けの勝利としておこう。

まぁ私が中々の酒のみと言う事が大きく判定を左右している訳だが

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