用意するものは持ち手が長く軽いタモ網とバッカンのみ。
夏から秋にかけて台風が頻繁に襲来する時期、今回はそんな季節限定で楽しめる岸壁採集、珍魚すくいをご紹介します。
場所は大阪湾の湾奥の岸壁、流されてきたゴミが溜まる最終地点。
海の色は淀んだチョコレート色、そこに浮かぶ様々なゴミ…そんなゴミを住処として、一緒に流れ着く小魚たちがいます。
大雨の後の岸壁。見事にゴミだらけ…
ある憧れの魚を探し、今年こそはと大雨が降った次の日ポイントへ向かいます。
ゴミ溜まりの中を覗いてみると、期待を裏切らず出会うことができました。
早速発見！
憧れだったマツダイゲット！ずっと探していたから凄く嬉しい。
体の色は明るい黄色〜枯葉色。
小さくてもまるで古代魚のような風格。
マツダイは幼魚の間は木の葉に擬態し、流木や浮遊物に付きふわふわと水面を漂って生活しています。
一部のファンからはアクアリウムでお馴染みのダトニオイデスに姿が似ていることから、海ダトニオなんて呼ばれることも…
幼魚のうちは木の葉のような見た目にキョロキョロ動くカメレオンのような目をしていてとても可愛いのですが、成魚になると80cm程となり、とても厳つく、カッコよくなります！
こんなに小さな個体も！
マツダイはとても目が良く、すくおうとすると想像以上のジャンプ力で逃げていきます。
すくう時は、サッとすくいましょう。
マツダイの他にも様々な魚が漂流しています。
次に発見したのは水玉模様が美しいアミモンガラ。
おとぼけ顔が可愛い！
モンガラカワハギ科の仲間の中で極めて広い分布域で生息するアミモンガラ。
モンガラカワハギ科の魚は南の島を連想する大好きな魚種です。
こんな大阪の湾奥で出会えるなんて…
こちらはギマの幼魚。
こちらもおとぼけ顔。
ギマは背びれに1本、腹びれに2本太く鋭いトゲを持ち、立たせることができます。
釣りでは外道として扱われる魚ですが、その立つ姿が可愛いらしくSNS映えすることから近年では話題の魚となっています。
こちらはシマフグの幼魚。
すくい上げると必死に威嚇していて可愛い。
クサフグは釣りの外道でよく釣れますが、シマフグを見たのは初めて。
小さくてもやはりフグ、油断していると鋭い歯で噛みついてきます。
沢山いました。
こちらはトゲトゲなハリセンボン。
ハリセンボンの針は1000本ではなく300〜400本ほどらしいです。
沖縄で釣獲したハリセンボンの成魚。
ハリスをスパスパ切ってくるので、釣りで狙うのはめちゃくちゃ難しい…
ハリセンボンも体を膨らませて威嚇しますが、なんともユーモラスな姿でとても可愛いです。
そして友人が採集したタツノオトシゴとヨウジウオ！
まるで小枝のようなヨウジウオとタツノオトシゴ。
水族館でしか見たことがないタツノオトシゴも漂流してきます。
ゴミ溜めから探すのは至難の業ですが、この子は水面をふよふよと漂っていたそう。
次のシーズンでは私もぜひゲットしたいです。
釣り人の魂が疼く…
様々な可愛い珍魚に癒されて、もっと他に面白い魚はいないかとゴミ溜まりの中を探していると、釣りで狙えそうなサイズのマツダイを発見。
こんな表層をフラフラ漂っている魚がエサに反応するのかな？と疑問を抱きながら、延べ竿をセッティング。
少し太いラインにアカムシ針、小さく千切ったガルプを付けて目の前に落としてみると…
その姿から想像できない勢いでフォールするガルプに反応！
マツダイ幼魚は延べ竿で十分狙えるターゲットだと判明しました。
この日は延べ竿＋ワームで狙いましたが、後日行った友人は小さなルアーで釣ったそうで、ルアーへの反応も良好とのことです。
この記事の中以外でも、ハナオコゼやシイラの幼魚なども同じポイントで確認されています。
普段、大阪の都会では見られないレアな魚が見れる絶好のチャンス。
台風後に岸壁へ訪れた際は素敵な出会いを探してゴミ溜まりのなかを覗いてみてください。
熱中しすぎて落ちないように…
YouTubeで動画も公開しています
ゴミ溜まりの珍魚すくいの様子はYouTubeでも公開しています。実際どのように採集しているのか？楽しい雰囲気と合わせて見ていただけると嬉しいです！
