近年では企画展や大規模な販売イベントが開催されるなど、爬虫類に根強い人気が広まっています。
ペットショップや専門店でヒョウモントカゲモドキやハイナントカゲモドキなど、夏になると窓に集まってくるヤモリとは雰囲気の違うヤモリを見かけたことがある方も、大勢いらっしゃると思います。
トカゲモドキって?
トカゲモドキは名前にトカゲとついていますが、ヤモリの仲間です。
トカゲとヤモリの違いは、まぶたがあるかないか、壁を登るか登らないか、などがあります。
まぶたがあるのがトカゲ、ないのがヤモリです。
トカゲモドキはヤモリですがまぶたもあるし、ヤモリのように壁に引っ付いて登ることもできません。
ヤモリにはまぶたがなく、瞬きの代わりに舌で舐めて綺麗にします。
ヒョウモントカゲモドキなどトカゲモドキにはまぶたがあり、表情豊かです。
ヤモリなのにトカゲのような風貌、トカゲの特徴はあるけれどヤモリ…という事でトカゲ"モドキ"と呼ばれています。
そんなニホンヤモリなどのいわゆる壁チョロ系でなく、地表系のヤモリ、クロイワトカゲモドキが日本にも生息しています。
クロイワトカゲモドキとは
別名リュウキュウトカゲモドキの名の通り、日本では沖縄本島とその周辺にのみ生息する日本固有種で、原始的な地表性ヤモリの仲間です。山地の広葉樹林やその周辺にある洞窟などに生息し、夜行性で、昼間は倒木の下や洞窟に隠れて過ごしています。
実際に夜のやんばるで探してみました
ベストタイミングは暖かい時期の日暮〜深夜にかけて。
餌を求めて出てきたクロイワトカゲモドキがいないか、ヘッドライトで地面を照らしながらよく見ていきます。
ライトを向けた先の岩に堂々と鎮座していたクロイワトカゲモドキの幼体です。
沖縄を訪れてもなかなか見に行く機会がなかった憧れのクロイワトカゲモドキ。想像していた通り可愛さの中に凛々しいカッコ良さがあります!
動きはゆっくりで、ライトやカメラを向けてもあまり動きません。
カッコいいポーズの内に夢中で写真を撮りました。
本命ポイントだった洞窟の中も探してみると、こちらではアダルトサイズのクロイワトカゲモドキが。
洞窟の雰囲気も相まって、物凄くカッコいい!
原始的なヤモリの仲間と紹介しましたが、まるで小さな恐竜のようで姿が見れたことにとても感動しました。
クロイワトカゲモドキは天然記念物!
現在では沖縄県の天然記念物、国内希少野生動植物種など様々な法律で保護されています。
採集、飼育はもちろんダメ、触るのもダメ、見つける事ができても、そっと観察しましょう。
他にはこんな生き物も
夜のやんばるにはクロイワトカゲモドキの他にも多種多様な生き物が生息しています。
こちらも天然記念物のオカヤドカリ
ペットショップなどで売られているオカヤドカリは国から特別に採集許可を得た業者が捕獲、販売しているものです。
こちらも触らず観察のみに留めましょう。
洞窟の中にはゲジゲジのボス、オオゲジが
パッと見ると全体の雰囲気で物凄く怖い…!と思う方が多いと思いますが、よーくみると可愛い顔をしています。
そして持ってみると物凄く軽く羽のように繊細で、とても儚く可愛い存在に思えてくるのが不思議です…
クロイワトカゲモドキ探しの注意点、ハブなど毒蛇の存在
やんばるにはハブやヒメハブなど、毒のある蛇も生息しています。
こちらは別の蛇を撮影している時に、すぐ足元にいて驚いたヒメハブ。
完全に地面と同化していて、しかも夜だとかなり見えづらい!
地面に潜む個体は勿論、木の上にいることもあり、上から飛び出してくることも…
なるべく開けた場所を歩き、木の下をくぐる時なども細心の注意を払いましょう。
今は希少な存在となったクロイワトカゲモドキ
見つけたクロイワトカゲモドキはどの個体も撮影中あまり動かず、こんなに大人しくて動きが遅いのに、外敵に襲われたりして絶滅しないのかな?と疑問に思いました。
実際に以前は非常に身近な生き物だったそうですが、環境開発や違法採集、外来種による影響などで生息数は減少しているそうです。
この素晴らしい小さな恐竜をいつまでも見ることができるよう、違法な採集はもちろん、外来種問題についても考えていきたいと改めて思いました。
クロイワトカゲモドキ探しの様子はYouTubeでも紹介しています。
夜のヤンバル探検!【沖縄珍生物ツアー】
夜のやんばるのワクワクした雰囲気と合わせて楽しん頂けると幸いです!