2018年韓国で釣ったコウライオヤニラミ。外来種として、宮崎県の大淀川水系に定着しているとの事で足を運んだ。韓国でも川魚を食べる文化があると聞く。気温の下がるこの時期、折角なので唐辛子を山盛り入れたキムチ鍋で暖をとろうではないか。
コウライオヤニラミとは
先ずは日本の在来オヤニラミを観てみよう。
オヤニラミは元来、関西以南の西日本の魚。ところが国内移入種として東日本にも数を増やしている。東京の多摩川中流域でも生息が確認されている。水が綺麗で比較的流れの少ない場所の石や岩の影、水際の茂みを好んで生息している印象だ。15㎝程の大きさが最大で昆虫・小魚などを捕食する日本を代表する淡水肉食魚である。
愛知県で捕獲した個体。国内移入種のオヤニラミ。場所によりかなりの個体数を確認できた。国内ではあまり大きな個体は見掛けない。10㎝以下がアベレージではなかろうか。
続いてコウライオヤニラミ。
2016年韓国南部で釣ったコウライオヤニラミ。日本在来のオヤニラミとの最大の違いはその大きさ。最大で30㎝程にまで成長する。本場韓国ではコクチと呼ばれ、一部地域では食用とされる。
比較的流れが強い場所の岩陰など潜み、縄張り意識が強い。非常に獰猛で、食性は日本のオヤニラミ同様で昆虫・小魚・甲殻類等を好んで捕食する。
コウライオヤニラミを狙う
今回は福岡出張のついで、片道約300㎞の中々の距離の都城まで車で移動。10月後半だが、日中の気温は27度程と温かく好釣果が期待できそう。大淀川水系の中でも定着が多く確認されている河川へ到着し、早速準備を整えた。
タックルは下記。
Fin-ch canaria48UL スピニング
ライン:PE0.6号
リーダー:ナイロン0.6LB
ルアーは小型のスピナーの一択。本場韓国でも圧倒的にスピナーの実績がある。岩が多いポイントを探し、投げて一定速度(若干の早巻き)で巻くだけ。
韓国の釣行時では写真の様な瀬周辺でも釣れたが、このポイントでは不発。
今回のメインポイント。川底には大きな岩が沈んでおり、コウライオヤニラミが岩陰から出たり入ったりするのが目視できた。
ベイトも非常に多く、鯉、鮒、ウグイ、オイカワ等の姿も観られる。期待を込めての第一投。キャストしたルアーが着水、手元に向かい水中を走る。5m程巻きあげたあたりで、ルアーの真横3m程離れた岩陰から黒い魚体が飛び出したかと思うと真直ぐ猛追。その様子は、まるで魚雷の様だった。
ルアーを咥えこんだ魚は、岩陰に潜り込もうと反転したが、それを抑止し、ゆっくりと足元に寄せた。17㎝程のコウライオヤニラミだ。
その後も同じパターンで、僅か30分程で3匹。20㎝を最大に17㎝、14㎝と楽しませていただいた。
コウライオヤニラミを観察してみよう
頭部比率は在来オヤニラミに比べ大きく、口内には肉食魚らしい細かい歯が並ぶ。
背鰭は短いが鋭くとがる。捕りこみ時は注意ください。その後方にある第2背鰭は大きい。背鰭の形状は、在来オヤニラミと然程相違は観られない。体表は細かい鱗で覆われ、若干のぬめりがある。
在来オヤニラミに比べると体色は薄く感じる。これは大型化する際の特徴なのだろうか。
鰓蓋後方に観られるオヤニラミ特有の眼状紋。コウライオヤニラミも同様。
なんといってもその大きさ。今回最大20㎝、自画自賛のナイスサイズ。本場韓国でも中々御目に掛からないサイズだ。しかしながら、この川で更に大きな30㎝近い個体が悠々と泳ぐ姿を目撃した。
ランディングネットはBRECOLから発売中のBRECOLランディングネット。
コウライオヤニラミを食べる
先ずは定番そして無難な素揚げ。塩味付けはシンプルに塩のみで頂く。お腹周りに若干の臭みがあるものの、それ以外は全く気にならない。綺麗な白身でフワっと柔らかく美味しい。例えるならメバルの身質に似ている。
オヤニラミは地方名でその容姿が似ている事から、カワメバルと呼ばれることもあるが、味も然りメバルだ。
続いて、韓国の激辛川魚鍋メウンタン
問題ない美味さ。素揚げの際感じたお腹周りの臭みも全く感じない。ほとばしる汗と共に完食にいたる。
*川魚を食べる際は寄生虫などのリスクを考慮し、しっかり火を通して召し上がってください。
訪れた河川は他の在来魚類も多く生息している。しかしながら、コウライオヤニラミの数もかなりのもの。時間の関係で30分程の釣行になったが、次から次へと岩陰からルアーを猛追するコウライオヤニラミを観て、恐ろしくもなった。飼育個体を放したことによりの定着が考えられるが、生態系への影響は多大です。くれぐれも責任をもって最期まで飼育していただきたいものです。