アメリカナマズを食べる2022 (茨城県・霞が浦)

相変わらず個体数を伸ばし続ける霞ヶ浦の特定外来生物アメリカナマズ。特定外来種に指定されている本種は在来種や漁業の対象魚を貪欲に捕食してしまう事から非常に煙たがられている存在。

あまりの繁殖ぶりに釣ったアメリカナマズをそのまま岸に置き去りにして殺してしまう釣り人まで現れる始末である。しかし、このアメリカナマズ元々は食用として輸入されたもの。間違いなく美味しい魚なのである。現在の生息数、彼らの繁殖力、外敵の有無等を考えると、もはや根絶は不可能と思われるが、その数を如何に減らしていくかを考えるべきであろう。

霞が浦の水温は依然高く、ナマズたちの活性は低い9月初旬ではあったが、久しぶりのアメリカナマズ料理の食材調達に出掛けた。

アメリカナマズ（チャネルキャットフィッシュ）とは

北米原産のアメリカナマズ科（イクタルルス科）イクタルルス属のナマズ。

1970年代に日本に食用として移入され養殖される。増水などで逃げ出した個体が霞ケ浦近郊および近郊の河川で爆発的に数を増やした。雑食性で食欲旺盛。在来種への影響は多大だ。増え続けるアメリカナマズは遂に2005年に特定外来生物に指定される。

アメリカナマズを釣ろう

9月初旬。今回のポイント周辺は蓮根の栽培が盛んで季節により美しい蓮の花を観ることができる。

まだまだ気温は高く、それに伴い霞が浦の水温も非常に高い。流石の水温の高さに丈夫で食欲旺盛のアメリカナマズも活性は低い。しかし、今回はあくまでも食材確保が目的で、釣りまくりたい訳でもない。竿一本でのんびりやりましょう。エサは鳥のレバーを使用し、中通し仕掛けを投げ込んで待つだけの簡単な釣り。家族連れでもダイナミックな引きの強い魚釣りを楽しめる。

『釣れないね。帰ろうか。』
『今日は水温が高いし。まだ竿出して5分だよ』
と相棒と会話してみたりして
『なんか引いているよ』
『この引きは亀だな』
と相棒とまた会話してみたりして

20分程して会話の相手もすやすやと寝てしまう。

30分程した頃、一気にラインが引き出される。ドラグをしっかりゆるめておくかフリーにしておかないと竿を引き込まれてしまう初速の速さ。基本は向こう合わせで大丈夫。ドラグを絞めてファイト開始だ。アメキャの引きは本当に楽しい。

暫くして寄って来たアメリカナマズ。無事食材を手に入れたぞ。一匹目の後は間髪入れず二匹目。どうやら投げ込んだ餌の匂いにアメリカナマズが寄り始めている様だ。

一匹目は60㎝を超えるナイスサイズ。二匹目は40㎝程。成熟した個体と未成熟な個体で色や体形に相違がみられる。その為、成熟した雄をブルーキャットフィッシュとして間違えられることがある様だ。

しかしながら、殆どのケース霞ヶ浦で釣れるアメリカナマズはチャネルキャットフィッシュと判断してよい。

アメリカナマズの胸鰭。成熟個体と未成熟個体。胸鰭にある棘はノコギリの様な形状を持ち一度刺さると抜き辛く厄介だ。因みにアメリカナマズの棘には毒はない。

 

一方の背びれの棘は、ノコギリ状の細かい突起はほぼ観られない。何れにしても双方の鰭の棘にはくれぐれも注意して取り扱って頂きたい。

尾鰭。日本のマナマズと大きく違う形状でいかにも魚らしい尾鰭。この鰭が遊泳力の高さを演出する。

さて、晩御飯のおかずは充分確保できたぞ。ぐっすり寝ている相棒を起して帰路につこう。

ただし、特定外来種のアメリカナマズは生きたままの移動は禁止。現場で必ず〆てから持ち帰りましょう。

アメリカナマズを食べよう

アメリカナマズは過去にも何度も食べているが、揚げ物一択で非常に美味しい。

アメリカナマズのフィレオフィッシュバーガー。某有名どころのフィレオフィッシュを凌ぐ美味さ。

ナマズバーガーの残りのフライはトマトソースとチーズたっぷりでオーブンで焼いてナマズカツレツに仕上げても良い。

そして、今回はフィッシュハンバーグに挑戦。嫁の指導を受けながらも、パン粉と卵とナマズの身を叩いたものを混ぜてこねる。焼き上げた後、白ワインで蒸して仕上げた。
さっぱりした身とデミグラスソースを絡めて食べる。揚げ物一択であったアメリカナマズ料理に今後加えたい逸品となった。

今宵の嫁は僕だけのハンバーグ師匠になった。ハンバァァァァーグ！！で締めくくろう。

＊アメリカナマズは北米では市場にも並び、美味しく食べられますが、寄生虫の宿主になることがあります。しっかり火を通して召し上がってください。