アブラボテ タナゴ界の名脇役を語る『後編』(福岡県)

アブラボテ タナゴ界の名脇役を語る『後編』(福岡県)

魚類だけに留まらず、両性爬虫類・鳥類・哺乳類・昆虫まで追い求めるマルチなFielder。好きな食べ物はお米。血液型B型のおうし座。

色んな恋の形があるように色んな婚姻色がある。春タナゴの達の婚姻色も夏が過ぎると色褪せてしまう様に人間様の恋や愛もいつしか終わりが来るものであり、儚さゆえに悲しく、そして美しい。そんな事を考えながら新芽で敷き詰められた鮮やかな緑色の絨毯に腰をおろし延べ竿を振る。
本日はタナゴ界の名脇役後編、アブラボテを紹介するとしよう。



 

アブラボテとは

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。濃尾平野以南の本州・四国の一部や九州北部を中心に生息しており、大型の個体は10㎝程にまで成長すると言う。前回ご紹介したヤリタナゴ程ではないが広範囲に生息域を持ち、国内3系統に分類されているが、いずれの雄も3月~7月頃にかけての産卵期にはタナゴ界きっての燻し銀の婚姻色を魅せてくれる。そんな渋めのキャラクターである彼らもまたタナゴ界の名脇役と認定したい。

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雌が産卵を行う二枚貝。雑食性で縄張り意識の強いアブラボテは比較的流れがある河川の中流から下流にかけて、また用水路などでも多く観られ、他のタナゴ同様で雌はドブガイやマツカサガイ等の二枚貝を好み、産卵管を伸ばし二枚貝内部に産卵を行う。



 

アブラボテを釣ってみよう

タナゴの仲間の中でもアブラボテは若干の気性の粗さを持つ。同時に餌への食いつきも良く、タナゴの仲間の中でも釣りやすい種の一つ。アブラボテが生息する場所を見つけたら以下の様なポイントを狙ってみよう。

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテのポイント春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテのポイント杭などのストラクチャー周り。

写真⑤春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテのポイント流れ込み周辺

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテのポイント水草の生い茂る周辺

水の動きがある場所、捕食者である肉食魚やサギなどの鳥類から身を隠す為にストラクチャー周辺がやはり狙い目となる。一気に釣果が期待できるので手返しよく連発していこう。
 

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。本日も期待を裏切らない好反応で次から次に黒褐色の身体と美しい鰭が宙を舞う。

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテの釣果。アブラボテに混じってヤリタナゴの姿も混じる。写真は9㎝の大型ヤリタナゴ。アブラボテとヤリタナゴは同属で同所に生息している事が多い。その為、しばしば2種の特徴を持ち合わせた交雑種ヤリボテが観られることがある。


 

アブラボテを観察してみよう

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。先ずは婚姻色真っ盛りの美少年達から。上述したようにアブラボテの婚姻色は玄人好みのなんとも言えないカラーリング。観察水槽で観る際とお皿で観察する際も違った色で目に映る。輝き黒ずんだ金属色の体色に尻ビレにはオレンジ、背びれには品の良い黄色が彩られる。また、口元にはヤリタナゴほどの長さではないがヒゲ。そして産卵期の雄は乳白色の追星も蓄える。

 

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雄の婚姻色と追星。ヤリタナゴの記事でもご紹介したようにコイ科タナゴ亜科アブラボテ属に属するアブラボテ。ヤリタナゴやミヤコタナゴ同様に背鰭条の間に黒い斑紋が観られる。

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雌と産卵管。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雌と産卵管。春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。アブラボテ雌と産卵管。続いて花も恥じらう美少女たち。メスの背鰭・尻ビレにも薄っすらと控えめに婚姻色が入る。まさに大和撫子と言ったところであろうか?そして、メスの一番のチャームポイントはなんといっても産卵管。体長の比較からするとヤリタナゴの雌より長く、そして、透明感のある黒色がとても妖艶な色っぽさをかもしだす。

 

春のタナゴ・アブラボテを釣ろう。追星と産卵管夏が近づくにつれてアブラボテ達の恋の季節もいよいよ本番を迎える。
産卵後、数週間もすると二枚貝から抜け出した小さな命が水路に現れる事だろう。
命に始まりと終わりがあるように、恋にも始まりと終わりがある。少しの寂しさと共に水路をあとにした。
念の為に追記しておくが、僕は特段に産卵管マニアと言う訳ではない。


次回の春タナゴ特集は九州の至宝と言われるカゼトゲタナゴをご紹介する予定です。乞うご期待。

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