海外遠征の終焉
五反田でジンギスカンを奢るから久々に飲もうと塾長から連絡があった。
最近は割り勘ばかりだった塾長が珍しい。
嫌な予感がする。
奢ると言う事は何か頼みがあるに違いない・・・・・
気を引き締めて行かねば・・・・
駆けつけ一杯のビールが喉に染みる。
談笑する事1時間、良い感じで酔いも周りだした頃、塾長が話し始める。
塾長:
「WEBサイト立ち上げるって言ったら、しげるは応援してくれるかな?記 事を沢山アップしなくちゃいけなくて。
もちろんしげるは親友だから記事を書いてくれるよね?wwwwwもちろん無償で(ニヤニヤ) 」
き、きたー!!!案の定、面倒くさい案件キター!!!
入稿期限厳守、無償、ネタを考えなければならない、無償、執筆怠い、無償・・・・・
考えただけで面倒くせー!!!!!ボランティア案件やりたくねー!!!!!
しかし酒が入ってる事もあり、気が大きくなった僕は二つ返事で快諾してしまった。
後々後悔するのは言うまでもなく・・・・
新型コロナウイルスが蔓延してだして早2年。
怪魚ハンターという副業は超隙間産業で、とりあえずデカい魚を海外で釣っとけばTV局からオファーが来たりしたが、海外へ行く事が難しく、巨大魚釣りから遠ざかってしまった僕に一体何が出来るのか?
海外を主戦場としていた僕のライフスタイルはガラリと変わり、最近ではsnsの投稿も魚色は減っていき、このコロナ過で飼育しだした、スネークヘッドと二頭のオオカミ犬の投稿がもっぱらになっている。
そんでもって私生活を豊かにする為にとか思っちゃったりして家を建てる事になった。
もう釣り行く気ねーじゃんwwwwwとか思われてしまいそうだが、ペットの世話が忙しくてコロナ明けてから海外いけるのか正直不安ではある・・・・
世間では、YouTuberやSNS戦略が上手い女性アングラーに押されに押され、今では怪魚ハンターは風前の灯火。
もはや死語なのでは?と自分でも思っている中で何を書けば良いのか、かなり迷ったわけで・・・・。
てか書く事ねーよwwww
始まりの聖地ブンサムラン・フィッシングパーク
とりあえず、僕が怪魚釣りを始めたきっかけでも書こうと思う。
動植物が好きで友達と遊ぶより、一人黙々と日が暮れるまで魚を釣って遊んでいるような幼少期。しかし大学へ進学が決まり、関東へ上京した事がきっかけで魚釣りをする機会を完全に失ってしまった僕はアニメとネトゲにハマってしまい、毎日のように秋葉原へ足を運び、メイド喫茶に入り浸るという充実したオタクライフを送っていた。
そしてオタクのまま社会人になり、更に魚釣りから遠ざかっていたのだが、25歳の時に彼女と行ったタイ旅行でブンサムランフィッシングパークへ行く事になった。
ここには絶滅危惧種にも指定されているメコンオオナマズと呼ばれる最大で300㎏近くにまでなる巨大ナマズと、パーカーホと呼ばれる巨大な鯉が釣れる事で世界的にも非常に有名な釣り堀である。
釣れる魚のアベレージサイズは20キロ。
最大サイズは150kgまで入っていると言う。
沖山「半端ねえ!!!!ここは釣り堀界のパラダイスか!!!!」
今まで眠っていた魚熱がムクッと目覚めそうな感覚に襲われる。
当時の僕は海外へ行けばデカい魚なんて釣れると思っていた。
(所詮は釣り堀!!チョロイぜ!!!さっさと記録級を釣って友達に自慢しよwwwww)
とか・・・当時の僕は安直な考えしか持ち合わせていなかったのだ。
だが現実はそう甘くも無く、そう簡単には釣れないのだ。
そもそもヒットしても、現地で貸し出している古びたレンタルタックルで挑戦していたせいもあり、幾度となく巨大ナマズがヒットしても、ボロボロのナイロンラインが「ブチッ、ブチッ」と音を立てて切れる。
その度に悔しくて絶叫した記憶がこの記事を書いていると蘇ってきて泣けてくる。
結局、最後の最後で20kg前後のメコンオオナマズを釣り、人生初のブンサムラン釣行は幕を閉じた。
物凄く悔しくて「甲子園球児達は試合に敗れると、こんなに悔しい思いをしているんだね・・・・」と野球をやった事も無いのに帰りの車中で、夕日を見つめ瞳に涙を浮かべながらぽつりと呟いた。
そして僕の中で何かが弾けたのだ。
沖山「このままで終わるわけにはいかんのや・・・絶対ブンサムランの巨大ナマズを釣ってやる・・・・・」
日本に帰るとすぐさま大物用のGTタックルを購入し、帰国した次の週にはタイへ舞い戻っていた。
そして38時間耐久オオナマズ捕獲作戦!!と題し、ブンサムランに籠った。
これだけ籠れば流石に一匹くらい大物がヒットするだろうと、タカをくくっていた。
しかし当時の僕には最高のタックルがあっても下手すぎたようで肝心の所で大物を逃がしてしまい、結局この時も満足の行く魚には出会う事は出来なかった。
その後もブンサムランでの雪辱を晴らすべく隔週で巨大ナマズだけを求めタイへ通った。
傍から見たら、いい年した青年が馬鹿の一つ覚えのように「ナマズが!!ナマズが!!」と言っている姿は奇妙に見えた事だろう。
ブンサムランから世界へ
どうにかして釣り堀の巨大ナマズを釣る攻略法は無いかとネットサーフィンをしていると巨大魚のページに辿り着く。
そのサイトには世界中で釣れる巨大魚や怪魚と異名の付く魚の画像がいくつも載っていた。
最初は世界にはこんな魚も生息しているんだな。くらいで流し見をしていたのだが、徐々に魅了され、終いには「かっこいい!!!こんな魚釣ってみたい!!!」
しかし、ブンサムランを卒業すると言う大事な課題があるわけで。
ブンサムランだけで海外釣行は卒業すると彼女と固い約束を誓い、これまでのタイ遠征を大目に見てもらっていた為、約束を破ってしまう事に対して葛藤した。
沖山「だが巨大魚を見たい・・・・この手で獲りたい・・・・」
悩みに悩んで、そしてある結論に行きついたのだ。
淡水魚で大型種と言うのはその河川や湖において生態系の頂点に位置されていることが多く、主に巨大魚や怪魚は発展途上国に多く見受けられた。
沖山「もし、この国が発展してしまうとこの巨大魚達はどうなるのだろう・・・・」
間違いなく姿を消すのは時間の問題である。
SDGSとか呑気な事を言ってる場合じゃない。
沖山「それならば、居なくなってしまう前にこの目に焼き付け、この手で捕獲したい!!!」
やらずして後悔するなら、やり切って後悔する。「えええええい!!!行ったれええええwwwwwwww」
こうしてタイへ行きつつ、違う世界へも飛び出してみようという都合の良い着地点を見出した。
それから海外釣行に力を入れ、早15年。
そして当時の彼女は元彼女となったwww(釣りが原因で破綻した恋愛はその後も続いたが、最近結婚して子供が出来たので結果吉としよう)
思い返せば約40ヵ国で釣りをし、渡航回数は100回以上。数々の巨大魚を運だけで釣ってきた。
カショーロ(南米)
ゴールデンマシール(ネパール)
ゴライアスタイガー(コンゴ)
タイメン(モンゴル)
ドラード(ウルグアイ)
ナイルパーチ(ウガンダ)
ナイルパーチ(エジプト)
ピーコックバス(ブラジルネグロ水系)
ピライーバ(スリナム)
ピラルク(ガイアナ)
ヨーロッパオオナマズ(スペイン)
だが、この目に焼き付けたい怪魚・巨大魚はまだまだこの世界に存在している。
思い立ったが吉日!!即行動!!しかし、なかなか海外への出国が難しい昨今。
でも諦めるわけにはいかない。
今のうちに渡航費ガンガン稼いで一気に使ってやるから待っとけ怪魚達wwww
この記事はいつまで続くか分からないが、これを読んで海外で釣りでもしてみるか!と少しでも興味を持たれたら幸いです。
40歳になったオッサンの青春はまだまだ終わらないと思う。