住宅街タナゴ釣り(横浜市山崎公園)

初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。釣りや採集だけでなく漁業者や研究者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求めてフィールドに立つ。 テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜く大作戦やNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。
住宅街タナゴ釣り(横浜市山崎公園)

横浜の住宅街で魚釣りができる山崎公園をご紹介。光り輝くタナゴ釣りを楽しんでみよう。

 

『魚釣りとは自然豊かな場所で楽しむ遊び』というイメージがある方は是非、この記事を読んで欲しい。魚たちは思いのほか身近な場所に生息しているものだ。そんな身近な釣り場の中でも、今回は『タナゴ』と呼ばれる美しい魚を釣ることができる横浜の釣り場を紹介する。

 

魚釣りができる『山崎公園の池』

横浜市都筑区の住宅街に山崎公園という市民の憩場がある。最寄り駅は横浜市営地下鉄ブルーラインの“中川駅”。駅からは徒歩で約7分の距離だ。

住所は『神奈川県横浜市都筑区中川4-19』、google mapでは『山崎公園 カワセミが来る池』と検索してみよう。公園には駐車場が無いため、周辺のコインパーキングを利用しよう。

 

山崎公園の池では、コイやザリガニといった魚釣りをしたことのない人にも馴染み深い生き物だけでなく、フナやモツゴ、タモロコやタナゴといった魚を釣ることができる。

この中でも一際きれいな魚である『タナゴ』という魚の生態や釣り方をご紹介しよう。

 

タナゴの生態と人気な理由

日本にタナゴの仲間は亜種等含めて18種類が生息し、多くが10cm程度までしか成長しない小型魚だが釣りの対象魚としてだけでなく、ペットとしても人気がある(山崎公園内の魚の持ち出しは禁止)。

タナゴの雄は繁殖期になると鮮やかな色に発色する。この婚姻色こそ人気の理由だ。繁殖期はタナゴの種類によって春と秋に分かれるが、山崎公園に生息するタイリクバラタナゴは春産卵型。そのため婚姻色に染まる雄のタナゴを釣り上げるには4月から6月ごろまでが特に狙い目だが夏まで薄っすらと発色している個体も多い。

 

正しい道具を使えばタナゴ釣りは簡単

タナゴ釣り自体は簡単で、“タナゴがいる場所”で“正しい道具”を使えば魚釣り未経験の方でも釣ることができる。

同じ池ならどこでも釣れそうな気がするが、タナゴ達は居心地の良い場所に集まって群れていることが多い。

池についたら釣り人にタナゴが釣れる場所を尋ねてみよう。もし誰も釣り人がいない場合は、小さい池の東屋の前から釣り初めて見て欲しい。僕が釣行した時は、その場所でタナゴが良く釣れた。

 

極小針だけは必ず用意しよう

釣り道具は自分で用意する必要がある。山崎公園は釣り堀ではないため、釣り具の貸し出し等のサービスが無いのだ。

タイリクバラタナゴを釣るためには専用の仕掛けと極小の針を使うことに限る。タイリクバラタナゴ用の極小針は釣り具店でも販売されていないことが多いのでネット通販を利用しよう。

オススメなのは『オーナー社製 たなごウキ仕掛け』と『がまかつ社製 糸付極タナゴ or ささめ社製 新虹鱗タナゴ糸付針』。たなごウキ仕掛けにもタナゴ針が付いているが、確実にタイリクバラタナゴを釣るためにはタナゴ針の中でも取り分け小さな針が欠かせない。購入する場合は、必ず“糸付タイプ”を選ぶように。針単体の商品もあるがこれを自分で結ぶのは至難の業だ。

餌は『マルキュー社製 タナゴグルテン』が簡単に使えて便利。タナゴの食いも良好だ。

竿は1000円程度で売られている90cm~150cm程度の短いのべ竿で充分楽しめる。仕掛けは竿の長さと同じものを購入しよう。

 

底付近をテンポ良く釣り狙う

釣り場についたら竿に仕掛けを取り付け、針を極小針に交換しよう。

タナゴは底付近を泳いでいることが多いので、ウキとオモリの距離が重要だ。まずはザックリと水深を予測し、ウキとオモリの距離を調整しよう。

粉末グルテンに水を加えて練り込み、針の先で引っかくようにして付けたら準備OK。さっそく仕掛けを池に振り込んでみよう。

ウキが水面で寝てしまう時は、ウキとオモリの距離が離れすぎているので縮める。逆にウキが立つ場合は少し間隔を広げる。このような微調整を繰り返し、底から5~10cm程度の距離に合わせていこう。

さて、ウキとオモリの距離を測っている間にも魚が釣れるくらい状況が良ければこの先は読まずに済む。状況が良い日はそのくらい簡単に釣れるのがタナゴという魚だ。

もし、30秒から1分程待ってもウキが動かなければ、仕掛けを素早く上げて餌を付けなおす。釣り始めたばかりはこのようにテンポ良く仕掛けの投入を繰り返すことでグルテンが水中に溜まりタナゴが集まってくることがあるのだ。

30分やっても釣れなかったり、1~2時間やってもモツゴやタモロコは釣れるのにタナゴが釣れない場合は潔く場所を変えてみよう。

山崎公園はモツゴやタモロコの数が多いが、タナゴ以外の魚を20~30尾釣ってもタナゴが混じらなければ場所を移動した方が良い。

因みに、コレは極小針を使った時の話しだ。タナゴ釣りは針の大きさが重要だということを忘れてはならない。

最後に、各地で釣り場が閉鎖されるこのご時世、公園内の池が釣り人に開放されていることはとても珍しい。山崎公園で魚釣りを楽しむ場合は、園内のルールを守ることは勿論、ゴミの後始末や迷惑駐車等をしないなど良識ある行動をとるように心がけたい。

1 / 3